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遠くても…-27-

[226]  深谷恵梨香  2010-09-14投稿
松山くんは全力でエリカのことを愛してくれた。
「エリカ、俺、昼の仕事見つかったんだ…それで…今の仕事やめて一緒に暮らさないか?」

松山くんはエリカの体調を心配してくれていた。仕事がストレスになることも、幸村さんがエリカの負担になっていることも全部知っていた。

「俺はエリカのために仕事をさがしてちゃんと就職したんだ。
最初は給料もたいしてよくないし、苦労させるかもしれないけど、俺についてきてほしい。」

エリカのことをこんなに愛してくれた人が今までいただろうか。
松山くんは、まだ、エリカが幸村さんを好きなことにも気づいていた。
それでも文句ひとつ言わなかった。
これから先エリカにこんなに尽くしてくれる人が現れるだろうか…

エリカは幸村さんへの想いを断ち切るためにも、松山くんの気持ちに答えるためにも、幸村さんのもとを離れ、松山くんと一緒に暮らすことを決意した。

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