精霊召喚-8
「あなた方はもしや、津名に・・・」
精霊がそう言おうとすると止められた。
「思い出したくないので言わないでください。僕たちはあなたの考えている通りの者です。しかし、美佐代さんのように怨念から幻魔を生み出すことはしませんでした。」
やがて声の主が正体を現した。それは紛れもなく津名に殺された男子生徒と女子生徒の魂だった。
「あなたでは止められないのですか?」
女子生徒は精霊に問うた。
「あなた方が私を地上に召喚していただければ何とかなると思います。」
精霊はそう言った。
「どうすれば召喚できますか?」
今度は男子生徒が問うた。
「願ってください。あなた方が地上に残していった未練を、私を地上に召喚することで解決できるなら、あなた方で出来るはずです。」
精霊はそう言った。地上は依然として美佐代の幻魔に破壊され続けていたが、これで希望の光が見えてきた。
「では願います。どうか美佐代を静めてあげてください。そして私たちを呪縛から解き放ってください。」
「僕も願います。今ここに精霊召喚の奇跡が起こりますように。」
2人が行なった精霊召喚は見事に成功した。地上に光が弾けた。
地上に降りた精霊は、美佐代の幻魔と対峙した。浄化を司るその精霊の姿は、まるで美しい女性のようだ。
「あなたの怨念を静めます。美佐代さん、あなたはずっと辛い思いをしてきたのでしょう。だからといって魔の力に頼ってはいけません。さあ、あなたを待っている人がいます。どうかその人たちのところへ行ってあげてください。」
精霊はそう言うと、手のひらから浄化の炎を生み出した。美佐代はその炎を見たとたんに大粒の涙を流し始めた。しかし、幻魔の動きに変化はない。幻魔は躊躇なく精霊を攻撃しようとした。精霊はその瞬間に浄化の炎を幻魔にぶつけた。それでもなかなか効かない。精霊は全力で幻魔に立ち向かった。やがて幻魔のほうにもダメージが現れ始めた。美佐代は苦しそうに胸を押さえていた。
突然美佐代が叫んだ。声は少ししか出なかったが、美佐代は天を仰いだ格好のまま声にならない叫びを上げていた。そのとき、幻魔が悪魔と美佐代の怨念に分離した。悪魔は浄化の炎に太刀打ちできずに消滅した。美佐代の怨念もそれと同時に消えていった。
精霊がそう言おうとすると止められた。
「思い出したくないので言わないでください。僕たちはあなたの考えている通りの者です。しかし、美佐代さんのように怨念から幻魔を生み出すことはしませんでした。」
やがて声の主が正体を現した。それは紛れもなく津名に殺された男子生徒と女子生徒の魂だった。
「あなたでは止められないのですか?」
女子生徒は精霊に問うた。
「あなた方が私を地上に召喚していただければ何とかなると思います。」
精霊はそう言った。
「どうすれば召喚できますか?」
今度は男子生徒が問うた。
「願ってください。あなた方が地上に残していった未練を、私を地上に召喚することで解決できるなら、あなた方で出来るはずです。」
精霊はそう言った。地上は依然として美佐代の幻魔に破壊され続けていたが、これで希望の光が見えてきた。
「では願います。どうか美佐代を静めてあげてください。そして私たちを呪縛から解き放ってください。」
「僕も願います。今ここに精霊召喚の奇跡が起こりますように。」
2人が行なった精霊召喚は見事に成功した。地上に光が弾けた。
地上に降りた精霊は、美佐代の幻魔と対峙した。浄化を司るその精霊の姿は、まるで美しい女性のようだ。
「あなたの怨念を静めます。美佐代さん、あなたはずっと辛い思いをしてきたのでしょう。だからといって魔の力に頼ってはいけません。さあ、あなたを待っている人がいます。どうかその人たちのところへ行ってあげてください。」
精霊はそう言うと、手のひらから浄化の炎を生み出した。美佐代はその炎を見たとたんに大粒の涙を流し始めた。しかし、幻魔の動きに変化はない。幻魔は躊躇なく精霊を攻撃しようとした。精霊はその瞬間に浄化の炎を幻魔にぶつけた。それでもなかなか効かない。精霊は全力で幻魔に立ち向かった。やがて幻魔のほうにもダメージが現れ始めた。美佐代は苦しそうに胸を押さえていた。
突然美佐代が叫んだ。声は少ししか出なかったが、美佐代は天を仰いだ格好のまま声にならない叫びを上げていた。そのとき、幻魔が悪魔と美佐代の怨念に分離した。悪魔は浄化の炎に太刀打ちできずに消滅した。美佐代の怨念もそれと同時に消えていった。
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