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がんばったで賞 58 〜私を1人にしないで…?感動の場面。作者おすすめ〜

[364]  るー6  2010-09-17投稿
あれからどのくらい経っただろう。
アキは気づけば手術室の前にいた。
祈る。ただそれしかできない。
私を1人にしないで…私を1人にしないで…と
何回も何回も繰り返した。そこに、カズヒロ達が来た。
「アキ。」
アキはカズヒロ達の気配に気づいた。
『みんな…。』
「お母さんは?」
『まだ手術中…。』
手話もたどたどしい。
「カズヒロくん。今は1人にしてあげた方が。アキ相当憔悴してる。」
「あぁ、だな。」
サユの勧めで、カズヒロはアキから離れて座った。

10分後、手術室から医者が出てきた。
その周りを囲む5人。
アキは医者に尋ねた。
…というより、ノートを見せた。
『お母さんは?』
医者の顔が曇る。


その時カズヒロが意味深な行動をとった。

アキの前に立ったのである。

案の定医者から出た言葉は、

「残念ですが…。」
カズヒロのせいで、唇が読めなかったアキ。

カズヒロは、なるべく最後の最後までアキを悲しませないために、アキの前に立ったのだ。

アキはカズヒロに聞いた。『なんて?』


カズヒロは棒のように突っ立ったままだった。
でも、周りにいたサユが泣いていた…。

ということは。

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