ロストクロニクル 最終章8
タクトが次にたどり着いたのは王の謁見室だった。
部屋の最奥に置かれた豪華な椅子に腰掛ける人物がいた。
「あなたは、パラス国王ですね」
王は薄ら笑いを浮かべると「如何にも」と威厳のある声で答えた。
「なぜ・・・なぜ兵士達がルパスの味方をしているのですか!」
タクトは王を問い質した。
「分からぬか、この戦いは始まる前に敗北しているもの、戦力が違い過ぎるのだ。私は多くの死者が出るのを未然に防いだだけだ。我々が全面降伏をすれば良かったのだ。だが、娘はそれに否定的だった。娘の希望を絶つためにお前達を行かせたが、思わぬ活躍ぶりのせいで逆効果だったようだな。それに、娘はなんども不死鳥の召喚を唱えておった。だが、おらんものはおらんのだ」
「なぜ分かるのですか!現に過去には不死鳥でこの国は救われているのに!」
今度は王が少し口調を荒げた。
「そのようなお伽噺を信じるほどこの国は落ちぶれてはおらん!私は今考えられる最善の策を考えたまでだ!娘のような理想論だけでは国民は守れん!」
「では・・・」
タクトが静かに口を開いた。
「なぜ・・・オーケスの住人を、虐殺したのですか」
タクトの声は怒りで震えていた。
「・・・それが、この戦争を止める為のルパスが条件としたからだ。戦争で出る犠牲と比べると・・・」
それ以上は言わせなかった。
「それが最善の策だった、か・・・でも、今まさに下で戦っている中にルパス兵がいる!結局は落ちぶれてしまいましたね・・・国王」
皮肉の込もった声で返した。
「ああ、私の政治は失敗した。もはやなす術はない」
国王は諦めたようにその言葉を吐き捨てた。
「いえ、まだあります。今こそ、不死鳥を召喚させるのです!」
国王はその言葉を鼻で笑った。
「そうか、お前には言ってなかったな。『ロストクロニクル』について」
国王が椅子に座り直した。
「いえ、もう聞きました。太古の昔、パラスを救ったのは、パラスが造った『呪われた存在』だったということですよね」
国王はタクトの淡々とした口調に驚いた。
「それでも、不死鳥を信じるのか」
タクトはたった一言「はい」と答えた。
王はしばらく考えた後に、椅子を操作すると、王の座っていた椅子が右へ動き、その奥に階段が姿を現した。
「好きなだけやるがよい。もはやこの国は私を必要としないようだ」
部屋の最奥に置かれた豪華な椅子に腰掛ける人物がいた。
「あなたは、パラス国王ですね」
王は薄ら笑いを浮かべると「如何にも」と威厳のある声で答えた。
「なぜ・・・なぜ兵士達がルパスの味方をしているのですか!」
タクトは王を問い質した。
「分からぬか、この戦いは始まる前に敗北しているもの、戦力が違い過ぎるのだ。私は多くの死者が出るのを未然に防いだだけだ。我々が全面降伏をすれば良かったのだ。だが、娘はそれに否定的だった。娘の希望を絶つためにお前達を行かせたが、思わぬ活躍ぶりのせいで逆効果だったようだな。それに、娘はなんども不死鳥の召喚を唱えておった。だが、おらんものはおらんのだ」
「なぜ分かるのですか!現に過去には不死鳥でこの国は救われているのに!」
今度は王が少し口調を荒げた。
「そのようなお伽噺を信じるほどこの国は落ちぶれてはおらん!私は今考えられる最善の策を考えたまでだ!娘のような理想論だけでは国民は守れん!」
「では・・・」
タクトが静かに口を開いた。
「なぜ・・・オーケスの住人を、虐殺したのですか」
タクトの声は怒りで震えていた。
「・・・それが、この戦争を止める為のルパスが条件としたからだ。戦争で出る犠牲と比べると・・・」
それ以上は言わせなかった。
「それが最善の策だった、か・・・でも、今まさに下で戦っている中にルパス兵がいる!結局は落ちぶれてしまいましたね・・・国王」
皮肉の込もった声で返した。
「ああ、私の政治は失敗した。もはやなす術はない」
国王は諦めたようにその言葉を吐き捨てた。
「いえ、まだあります。今こそ、不死鳥を召喚させるのです!」
国王はその言葉を鼻で笑った。
「そうか、お前には言ってなかったな。『ロストクロニクル』について」
国王が椅子に座り直した。
「いえ、もう聞きました。太古の昔、パラスを救ったのは、パラスが造った『呪われた存在』だったということですよね」
国王はタクトの淡々とした口調に驚いた。
「それでも、不死鳥を信じるのか」
タクトはたった一言「はい」と答えた。
王はしばらく考えた後に、椅子を操作すると、王の座っていた椅子が右へ動き、その奥に階段が姿を現した。
「好きなだけやるがよい。もはやこの国は私を必要としないようだ」
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