探偵ゼロ 21
「うそ・・・だろ」
それもそのはずだった
その名刺にはこう書いてあった。
「伏見綾子・・伏見コーポレーション・・社長・・・?!」
ふと前を見るといつの間にか青信号が点滅して
赤になったところ
だった。
隼人は一瞬苛立ったものの、もう一度名刺を見直した。
伏見コーポレーションといえば、様々な分野に
進出し、いまや大企業と
なりつつある会社だ。
数年前に経営破綻寸前まで追い込まれたが、
若い社長が会社を危機から救ったと、話題に
なっていたのを覚えている。
「あの人が・・社長か」
今まで何度か記者として
取材に行ったことがあったが、社長と会うのは
はじめてだ。
隼人は信号が青になっていることに気付き、
慌てて歩きだした
さすがに二度もタイミングを逃すわけにはいかない。
隼人の家はすぐそこだ。
−−−−−−−−−−−
ピピピピ−−ッ
ピピピピ−−ッ
隼人は久しぶりに目覚まし時計の音を聞いた気がした。
あれ?なんで寝てるんだっけ?
疲れていたのだろうか。
隼人は家に帰ってきてからのことを覚えていなかった。
服も昨日の夜のままだ。
隼人は起き出して時計をみた
いまはあさの6時。
昨日、11時に帰ってきたはずだから
7時間寝たことになる
零が入院している病院の面会時間までには時間が
あった。
「テレビでも見るか」
新聞社には休暇を
とっているため
行かなくても問題はない
隼人はテレビをつけて
部屋のソファーに座った
ちょうど朝ニュースの
時間だった。
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