キリンのゆびわ。1
「お母さん 私の指輪を見なかった?」
焦りを隠せない表情で、紅葉が駆け寄ります。
「指輪って?」
のんきそうなお母さん。
娘のいるほうを洗濯物を抱えたまま振りかえります。
「キリンの・・指輪。」
「あら。玩具かと思って捨てちゃったわよ。」
「え・・。」
「あの指輪。サクラから貰ったものなの。」
紅葉の瞳から涙が零れます。
「サクラくん・・。」
お母さんは洗濯物を床に落としてしまいました。
娘の、サクラくんへの思いを知らないはずがありませんでした。
もう6年になる恋。
片思いなのか、両思いだったのか。もう今となっては。
「そう、サクラくんがくれたの。
あの子らしいわね・・少年のようね。
でも紅葉、あんたはほかのひとと結婚が決まったのよ。
もう・・サクラくんのことは忘れてしまいなさいな。
結婚式の招待状も送ったんでしょう?」
「まだ。」
「どうして?いい加減になさい。
あの方にも迷惑でしょう?
あんたがサクラくんを好きなのはわかっているけどね・・。」
お母さんもやりきれない思いを抱えていました。
「お母さん。サクラくん好きだよ?
でも、あんたが決めたんだし。」
「どうしてこんなことに。」
紅葉は失くした指輪と、
手を離さなきゃいけない想いに悔やんでいました。
焦りを隠せない表情で、紅葉が駆け寄ります。
「指輪って?」
のんきそうなお母さん。
娘のいるほうを洗濯物を抱えたまま振りかえります。
「キリンの・・指輪。」
「あら。玩具かと思って捨てちゃったわよ。」
「え・・。」
「あの指輪。サクラから貰ったものなの。」
紅葉の瞳から涙が零れます。
「サクラくん・・。」
お母さんは洗濯物を床に落としてしまいました。
娘の、サクラくんへの思いを知らないはずがありませんでした。
もう6年になる恋。
片思いなのか、両思いだったのか。もう今となっては。
「そう、サクラくんがくれたの。
あの子らしいわね・・少年のようね。
でも紅葉、あんたはほかのひとと結婚が決まったのよ。
もう・・サクラくんのことは忘れてしまいなさいな。
結婚式の招待状も送ったんでしょう?」
「まだ。」
「どうして?いい加減になさい。
あの方にも迷惑でしょう?
あんたがサクラくんを好きなのはわかっているけどね・・。」
お母さんもやりきれない思いを抱えていました。
「お母さん。サクラくん好きだよ?
でも、あんたが決めたんだし。」
「どうしてこんなことに。」
紅葉は失くした指輪と、
手を離さなきゃいけない想いに悔やんでいました。
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