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奈央と出会えたから。<415>

[442]  麻呂  2010-10-15投稿

* * * * * *

合唱コンクールの朝は、いつもと何も変わらない朝だった。


今日は、いつもの練習の成果が出せればいいな。



あの日から聖人も、練習に参加してくれてたし♪





ピンポーン♪



と、玄関のチャイムが鳴るのと同時に、母の声。



『奈央〜!!聖人君が来てくれたわよ〜!!』



ひぁっっ☆



うそっっ!!



今日は迎えに行けないとか、言ってなかったっけ?!



『はっ‥はぁい。

い、今行くっっ!!』



ドタバタドタバタ☆


あせりつつも、髪型だけは、ちゃんとチェックするあたし。


うん、よし!!



オッケー♪



いざ出発!!



『おっ‥おはよ聖人。』



『おぅ。おはよ。』


ドキッ‥‥



え?!何か今日の聖人、いつもと雰囲気が違う‥‥?!



髪型が少し違うせいかな?!



ドキドキドキドキ‥‥‥



いやだ。



なんかドキドキしてきた。



『‥‥どした?!

俺の顔に何かついてる?!』



はぁうっっ‥‥そ、そんなに顔を覗き込まれても、困るんですけどっっ/////



『もしかして奈央、合唱コンクールだから緊張してる?!』


そ、そうじゃないですからっっ/////



『ち、違うもん。

あ、あたしより聖人の方が緊張してるんじゃないの?!』



いやだ。



何ムキになってるの、あたし。



『‥‥‥‥。』



え‥‥無言?!



聖人。



怒っ‥‥た?!



『ご‥ごめ‥‥なんか、あたしムキになっちゃってっっ。』




『‥‥‥謝んなくてい―よ。』



『え?!』



『だから、謝んなくてい―から。』



そう言ったあと、



少し強引に聖人は、あたしの手を引いたんだ。



いつもと同じ、



暖かい手で――





『‥‥‥‥当たってっからサ。』



ボソッと、つぶやいた言葉の後は、



2人とも少し、



黙ったままだったよね。

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