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クラスメイト3

[296]  フラン子  2010-10-21投稿
中庭にいる綾瀬と女子生徒がほぼ同時にこちらを見上げた。

「げ、マズい。」

私はスッと頭を引っ込め、ソファに座りなおした。

「盗み聞きしようとしてたの、気付かれたかな?」


それより、あれは告白の最中だったのかな?どっちから?
いや、もしやすでに付き合ってるとか?


ソファに上半身だけ横になり、一人妄想をしていた。
古いソファなので、少しカビ臭いが鼻に付く。


「やっぱ、くさッ!」

ガバッと起きると、いつの間にかソファの後ろに綾瀬が立っていた。


「やっぱりお前か。何やってんの?」

綾瀬はあきれ顔で頭を掻きながら聞いてきた。

「こう見えても趣味は読書なの。あ、このソファ臭いけど、座ります?」

そう言って自分の隣の空いたスペースをポンッと叩くと綾瀬が座った。


「お、このソファ気持ちいい!俺図書館入ったの初めてだわ。」

綾瀬はキョロキョロ周りの本棚を見渡した。

「ここ私の特等席。」

自慢げに私は言った。

「お前さっきの見てただろ。」

自慢げだった私は一気に萎んだ。

「……はい。でも、何も聞こえてないし。ってか、あの子誰?彼女?」


綾瀬とはこういう話をまったくしたことがなかったので、彼女が居るかどうかすら知らなかった。

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