続いた世界のある結末(3)
え…?
耳を疑う。
聞き間違い?でも幻聴にしては、随分はっきりと…
「設楽君?もしかして無視とか?」
「翅さんっ!」
嬉しくて嬉しくて。
勢いよく振り返る。
彼女、翅がそこにいた。
「はい、翅さんです。…お久しぶりです設楽君」
「……お久しぶり」
安心というか、色々限界だったのだろう。頬が緩み、気力がなくなる。それでも何とか彼女に返事をしたが。
「あら、泣いてるのかな?設楽君。…苛めすぎた?」
そう言って、ちょっとバツの悪い顔をする翅。
自分は今泣いているのだろうか。
そう言えば頬が湿っているような気がする。
翅さんが目の前にいるというのに。
そしてまだ、強がりきれない。
「…そうだよ翅さん。さっきはそこの窓にいたじゃないか。」
「うん、いたよ。でも設楽君見てたら意地悪したくなっちゃったから」
えへへと翅は笑った。
昔のままの笑みで。
だから何も考えず、口から言葉がでた。
「相変わらずだね」
「そうかな?」
「え?」
「人が変わらないなんて。…あり得るのかな?」
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