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黒ト黎明ノ星 二

[333]  ミカミ  2010-11-28投稿
少年は小走りで気配を感じた方へと近寄っていた
ミカは あの娘だけは必ず守る
そう自分に言い聞かせながら少年は進んだ
そして気づいたら建物の入口まで来ていた
この建物 かつては何か会社だったのか
イメージ的には小さな銀行の様な感じの建物

あたりには瓦礫や紙やらが飛散していた

少年は握りしめ強く握りしめ息を潜ませながらドア陰からフロアを覗いた

何も居ない

少年は鉄パイプを構えながら正面の入口へと進んだ

進んだ

進んだ

少年は建物の外に出た
崩れ滅んだ町
だが少年の目に入ったのはそんなものではなかった
建物は道路に面していた
その道路の中心に黒い物体が蠢いていた

4〜5歳の子供の大きさと形
黒色 例えるなら影のような
ソレが数十匹黒く塊になっていた

そしてそのうちの1匹が少年に気づいた

怪しく光る目が少年を見た

そして

塊一気に崩れた
散らばった数十匹のソレは一気に少年に襲いかかってきた

少年は構えた鉄パイプでソレを叩きつけた

あたりには赤い血が飛び散る
どうやら血はでるらしい
何かを叫びながら一匹のソレは動かなくなり蒸発するように消えた

次々とソレは少年に襲いかかってきた
少年は鉄パイプを振り回し続けた

黒いソレを次々と潰して行く少年
無論少年も無傷ではない
黒いソレ噛まれたり
ひっかかれたりと
だがそれでも大した傷ではなかった
少年は自分に襲いかかるソレを潰し続けた



数分後


数十匹いた黒いソレの最後の1匹が断末魔を上げ消えた
少年は膝をついた

息が乱れている

体には『黒いソレ』の返り血を浴び赤く染まっていた

「ミ カ」
そうつぶやくと少年は建物にいる『ミカ』のもとに向かった

建物の中

『ミカ』が苦しそうに倒れている
「ミカっ!」
そう叫びすぐさま『ミカ』に近寄った
「お・・兄・・・ちゃん」
と言いと『ミカ』は動かなくなった
少年は何度も妹の名前を叫んだが妹は動かない

すると『ミカ』の腕から黒い靄のようなものが出ているのに気づいた

嫌な予感がした

自分たち以外誰もいないであろうこの崩れ滅んだ町の建物の中少年は叫んだ
「誰か助けてください」

その時

近に転がっていたあの『黒い仮面』が怪しく光り少年に何かを語りかけた

「願いをかなえてやろう」

「お前の・・・・と引き換えに」

そして少年は仮面にてを伸ばした


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