続いた世界のある結末(6)
足を止めなければ希望が見えてくる。
信じていれば必ず報われる日が来る。
僕は何度翅に言っただろう?
自分に言い聞かせる様に、この五年以上もの間。
それが何度彼女を傷つけただろうか。
きっと僕がそう言う度。
宛のない希望にすがる度。
彼女は叶わない未来を嘆いた。
その押し潰されそうな感情を、必死に表に出さないようにしながら。
そしてその先に在るものが僕らの未来になることを。
「そんなの、嫌だ…」
本当に恐れている。
だけど、それでも。
エゴでもいいと思った。翅を悲しませる事になったとしても。それでも。
「僕も翅さんの事が好きだ」
「だから、止めない」
叶わない未来に向かって、歩いていこうと思う。
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