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君に贈るもの

[369]  MINK  2006-09-05投稿
今を着飾ることに精一杯で目の前の大切なものを見失っていたんだ。
ただ、君の優しさが当たり前のような存在で。君の存在が側にいる事が当たり前で。
全ては儚い物語のように。
霧のかかった森の中にいるようで。

「もう、想い合えないね…」

君が最後に口にした言葉を。
僕は今でも思い出す。
ただ、お互いを想いすぎてしまったのかもしれない。
君の温もりも、些細な優しさも。
別れた今だから思い出せる。
時間を巻き戻すことなんてできなくて。
僕は後悔をする。
ただ、側にいることさえも叶わない。
強がることも、強さを糧にすることも。
もう必要ない。
この手で守りたかったのは、君なのに。
この手で守るべき人は君じゃなかった。
「ありがとう」を「さよなら」に変えて、君に贈る。
静かに、優しく。

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