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がんばったで賞 89 〜信じて〜

[336]  るー6  2010-12-04投稿
「親が柴山に借金してて…『もし私のいうとおりにすれば、借金の取り立てはやめる。しかし、裏切ったり、私の言う通りにしなかった場合は、あなたの家を差し押える』って…。」
「そんな…。」
カズヒロの目が変わった。「私は…いじめるしか…ないんだよ。」
「そんなことないよ。」
「ハァ?」
カズヒロは、
「お前だって分かってんだろ。いじめというものがどれだけ相手を傷つけてしまうか。」
「十分…分かっているよ。」
アズサは真面目に答えた。「だけどやるしかないんだ…。」
「その気持ち…俺と変えよう。」
「ハァ?」
アズサは、ふざけてカズヒロが言ってるのだと思った。
「何かの告白?」
とアズサが冗談混じりに言うと、
「バカかお前か。俺にはアキが。」
「…バーカ。何真面目に答えてんの。」
カズヒロは深いため息をついて、アズサに説明した。「まずこれからお前は先生なんかのいうことに従うな。」
「…したいけど…。」
「だよな?まだ怖いんだよな?大丈夫。俺が一緒にいるから。…な?」
「頼りになるんだかならないんだか…。」
「とりあえず明日からそうするんだ。…これ以上アキに迷惑かけないで欲しいんだ。」
「…。」
黙り込むアズサに、
「信じて。」
カズヒロは励ました。
アズサはその言葉に、カズヒロのある強い執念が見えたような気がした。

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