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天使か悪魔か

[458]  2010-12-05投稿
琥珀と優は、結局ずっと話していて寮に帰るのは夜中だった。

「柏木さん、遅かったじゃない。何してたの」

「ちょっと教会へ…」

「ふーん。あなた絶対怒られるわね。」

「え?」

「今日は夕方から教会に集まるって言ってたじゃない。」
「それは明日ってクラスメイトの方が」

「嘘ね!それなら話が繋がるわ。」

優は息がつまった。 確かに否定はできない。涙があふれそうになり、とっさに部屋を出て行った。
「琥珀。」

「どーしたの?泣いてる。」

「泣いてない。」

「でも今から泣くでしょ?」

琥珀の一言で涙が溢れた。 まるで魔法のように。

「詳しく聞かせて?誰が憎い?」

「クラスよ…え?」

優は目が覚めた。何言ってんだろ私…と琥珀に微笑みかけた。そして、琥珀の表情を見て気付いた。

「あなた…ほんとに琥珀?琥珀じゃないでしょう。そうね、死神とでも言っておこうかしら?」

「…さすがはマリアの娘だな。威勢がある。素晴らしいよ。でも、残念ながら私は死神じゃない。優もよく知っている奴だ。」

「知らないわ。」

「小さい頃だから忘れてしまったかな?もっと一緒に遊びたかったねぇ。」

「…え?」

「所詮、私も悪魔だ。だが、それと同時に…」
「……パパ?」

「BINGO!」

『琥珀』はにっこりと笑っていたが、優の目にはたっぷりと涙が溜まっていた。

「パパ…琥珀はどこ?その体は琥珀のものでしょう?」

「琥珀?ぁあ、これか。これはその琥珀ってのをコピーしたのさ。」

「じゃあちゃんと琥珀はいるのね?」

「おう。そこの部屋にいる。」

『琥珀』の手が指差したのは怪物の間。

「何てことするの!」

「力試しさ。」

「助けに行ってくる!」

優はとても真剣になってた。
がちゃがちゃっ

「鍵が開かない…」

「優が入れないようにね。」

「大丈夫、私は神の子。鍵くらい自分の力を信じれば…」

「神の子…?」

乙夜はひどく動揺していた。

「そうよ。。」

「俺らの子が神の子…」

扉は音をたてて開いた。
中には琥珀が倒れていた。

「大丈夫?今助けてるわ。あれ?魔法がでない…」

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