夢跡†(2)
下校時間になった。
教科書とノートと筆箱を鞄にしまい、
携帯電話が学生服のズボンに入っているかをよく確認する。
先日は忘れて帰ったからだ。
カチン
音を立てて鞄を閉める。
教室にはまだ人が残っている。下校時間になったからといって、すぐに教室を出る人も少ないのだ。
入り口に集団で固まる女子を掻き分けて、教室を出た。
下足場で、履き古したスニーカーを出す。
座って、身体が大きくなったせいか、大分無理をして、足を収めた。
下足場を出た。寒い。
もう2月とは言え、吐く息は白い。煙の様なそれは、上へと昇り、消えて行く。
この様子だと、手も段々冷たくなるだろう。
格好をつける為でなく、防寒の為に、ズボンのポケットに手を伸ばす。
歩き出そうと前を向いた時、目の前に白い、薄っぺらい物が落ちてきた。
屈んで拾い上げる。
……ポケットティッシュ?
何で上から? と見上げると、
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