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Kiss me!*10

[723]  玲唯  2010-12-23投稿


「余計なこと言わないでよ」

「いいじゃん別に」

「よくないよ。全く……」


 すると笛の音がグラウンドから聞こえてきた。


 どうやらサッカー部が校内試合をするみたいで、笛の音はその開始の合図だったみたい。


 開始早々にボールを相手チームから奪ったケイタは、ディフェンスをかわしてゴール近くで仲間にパス。


 そしてその勢いでゴール前まで走っていって、仲間からのパスでケイタはゴールを決めた。


 その姿を見たとき、なんかケイタがかっこよく見えた。


 私はしばらくケイタを目で追っていると、ナナミが私の肩をつついてくる。


 ナナミの方を向くと、ナナミは私を見てにやにやしていた。


「何?」

「ケイタくんのこと見てたでしょ?」

「そ、そんなわけないじゃん!」

「嘘。絶対見てた!」

「ないない」

「照れるなよお!」


 ナナミは私のわき腹に手をやってくすぐり始める。


 私は身をよじりながらそれをかわして、教室の中を逃げ回った。


 しばらく2人で教室中をぐるぐる回っていると、突然ナナミがあっと声を上げて立ち止まった。


「ねえ、明日一緒に遊ぼ! 気晴らしにさ」

「いいね。行こっか」


 ナナミと遊びに行くの、久しぶりだなあ。


 ナナミに彼氏ができてから、あまり2人で遊びに行かなくなったし。


 日頃のことは全部忘れて、遊んでやろう。


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