sound of you 28
「……これ」
それだけ言って綾川くんは何も言わない。
彼はしゃがんだままメモ紙を握って黙ってしまった。
怒ってしまったのかもしれない。
私は自分がついてしまった嘘をすごく後悔し、しゃがんだまま目を閉じた。
どれくらい沈黙していたのか分からない。
先に口を開いたのは綾川くんだった。
「…槇原さん。クラブとか行ったことある?」
怒ってるか分からない口調だ。
私はビクッとしながら、正直に頷いた。
「そっか。」
綾川くんは散らばった残りのペンを手早く集めペンケースにしまってくれた。
ゆっくり立ち上がると何事もなかったように帰る支度を再開した。
どうしよう、どうしよう
私は答えも出ないのに念仏のように「どうしよう」を頭の中で唱えていた。
綾川くんがDJのミツルだってこと知ってるよ、って今このタイミングで言うべき?
その前に騙してごめんって謝るべき?
頭はグチャグチャだ。
「…じゃ、俺さきに帰るね。」
何も聞かないまま綾川くんは教室を出ていった。
教室に取り残された私。
ボーっとする頭で必死に考える。
「…クラブのこと聞かれたってことは、…私がユキだって確かめたの?」
それだけ言って綾川くんは何も言わない。
彼はしゃがんだままメモ紙を握って黙ってしまった。
怒ってしまったのかもしれない。
私は自分がついてしまった嘘をすごく後悔し、しゃがんだまま目を閉じた。
どれくらい沈黙していたのか分からない。
先に口を開いたのは綾川くんだった。
「…槇原さん。クラブとか行ったことある?」
怒ってるか分からない口調だ。
私はビクッとしながら、正直に頷いた。
「そっか。」
綾川くんは散らばった残りのペンを手早く集めペンケースにしまってくれた。
ゆっくり立ち上がると何事もなかったように帰る支度を再開した。
どうしよう、どうしよう
私は答えも出ないのに念仏のように「どうしよう」を頭の中で唱えていた。
綾川くんがDJのミツルだってこと知ってるよ、って今このタイミングで言うべき?
その前に騙してごめんって謝るべき?
頭はグチャグチャだ。
「…じゃ、俺さきに帰るね。」
何も聞かないまま綾川くんは教室を出ていった。
教室に取り残された私。
ボーっとする頭で必死に考える。
「…クラブのこと聞かれたってことは、…私がユキだって確かめたの?」
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