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sound of you 42

[306]  フラン子  2010-12-26投稿
「え?」

私が聞き返すと、「何でもない」と言ってそっぽ向く。

「………。」

また沈黙…。


何なのコレ…


私、なんで泣いてたっけ?


………!!

私は重大なことに気づいた。

「綾川くん!ライブ中じゃない??」

私が掴まれた腕を引っ張ると、パッと手を離された。


綾川くんは両手をあてて顔を覆う。

「……大丈夫。さっきので俺の出番終わりだから。」

あ、そうなの。


「…………。」

また沈黙。


「とにかく中入ろうよ。」

「……槇原さん、さっき途中で外出ようとしてた。」

綾川くんがようやくこちらを向いた。

道端に座ったまま、こちらを見上げている。

「……えーと。外の空気を吸おうと思って…。」

「カウントダウン前に?」

……うっ

私が黙ると、綾川くんはゆっくり立ち上がり「ダウン取ってくるから待ってて」と言って店に戻っていった。


階段を下りていく後ろ姿を見送ったあと、今までの緊張の糸がプツリと切れた。

「何もぅ〜…。」

頭を抱えてうずくまった。

さっき綾川くんへの恋心を強く自覚した私は、ドキドキする心臓をコントロール出来ずにいる。

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