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生涯の恋人 13話

[313]  ふく  2006-09-06投稿
最近
家に帰ると真っ先にラジオを付ける
毎日の習慣になった
正直
彼氏が出来る前までの私は
『愛』だの『恋』だのと歌っている曲を聴くと
『はいはいまたか』と思ってしまい
メロディだけ耳に入れ 歌詞は頭に入れないようにしていた
でも今は違う
メロディはもちろんだが
歌詞を楽しむようになっていた
『愛』だの『恋』だの言っている曲を聴くと
『分かる分かる〜!そうだよね〜』
と しみじみしたり
テンションが上がったりもした

『こうゆう歌に共感できるようになったのか!』

独りで盛り上がった
心境が変わると
こうも見えるモノ
聞こえるモノ
感じるモノが違って来るものなのか


いつものように机の上には参考書
携帯はすぐ手の届く位置に置いた

彼とはメールをするようになった
些細なことでも
彼からのメールは嬉しい
家に帰っても唯一彼と繋がっていられる大切な物

悪い癖で
ラジオを付けると
半分以上はそっちに気を取られてしまう
昔懐かしの歌や新曲
何の曲が流れてきても 自分に当てはめてしまう

失恋の曲や別れの曲が流れると 何故か寂しくなり 涙を流すことも度々あった
それまで自分に重ねなくてもいいのだが
『いかん、いかん!集中しなきゃ!』

少しラジオのボリュームを下げた


ブーッブーッ

彼からの着信だ

二回目のバイブですぐ気付いたが
取るのがあまりにも早いと少し格好悪い
かといって取るのが遅すぎても切られてしまう

五回目のバイブの音が鳴り終わると
「もしもし。」
電話の『通話』を押す

私の中だけの決まり事だった
意味もない格好付け

「どうしたの?」

「何となく。今何してる?」

「ラジオ聴いてる。」

『勉強してる』とは言わなかった
言うと気を使って切られると思ったからあえて言わなかった
「俺も聴いてるよ。どこの?」

「○○○○だよ。いつもここの聴いてるから。」

「マジで?俺も同じとこ。」

彼は無邪気だ
小さなことでもこうやって素直に喜びが表現出来る
だから大好きだ

「今日さ、学校で……」

「どうしたの?」

「ラジオ…。」
「ラジオ?」

小さくしていたラジオのボリュームを上げた

―ミスチルの『抱きしめたい』―\r

「俺、この歌好き。一緒に聴くのって何かいいね。」



「うん…。」

静かに目を閉じた
同じ時間に同じ歌を聴く

何か幸せだった

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