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Kiss me!*11

[442]  玲唯  2010-12-30投稿


 次の日。私はナナミとの待ち合わせ場所に向かった。


 時間ぴったりに到着して、ナナミを探す。


 でもナナミの姿は見あたらない。まだ着てないんだ。


 小さくため息をついたとき、後ろから私を呼ぶ声がした。


 振り向くとそこにはナナミとマサトとケイタがいた。


 何でマサトとケイタがいるの?!


「さっき2人とばったり合ってさー。だから4人で遊び行こーよ!」

「Wデートってやつだな!」

「で、デート?!」


 何がデートなの。


 私とケイタは付き合ってないし!


 私はナナミのそばに寄って小さな声で言った。


「ねえ、やっぱ私たち2人で行こうよ」

「え、なんで?」

「だって最初はそういうことだったじゃん」

「もしかしてユキ、ケイタくんと遊ぶの恥ずかしがってるの?」

「なわけないじゃん! 嫌なの。ただ単に」

「いいじゃん別に。これを期に、ケイタくんの印象変わるかもよ?」

「え、いや、でも───」

「よし、行きますか!」


 私の話を無視してナナミはそう促すと、マサトと腕を組んで歩き出した。


 帰っちゃおうかな、なんて思った。


 私がいたらナナミとマサトの邪魔しちゃいそうだし。


 急な体調不良ってことで帰ろう。


 私はナナミたちに背を向けて歩き出した。


 その時、後ろから誰かに腕を掴まれた。


 私は足を止めて振り返る。


 私の腕を掴んでいたのはケイタだった。


「行こ?」

「行かない」


 私が首を横に振ると、ケイタは私の腕から手を離して、私の手を握った。


「いいから、行こ!」


 そう言ってケイタは走り出した。


 その時見せた笑顔に、私はなぜかドキッとしてしまった。


 私は下を向いて、ケイタに手を引かれるままに走る。


 ナナミとマサトに追いついても、ケイタは私の手を握ったままだった。


「なーんだ。やっぱりそーかあ」


 ナナミはニッと笑って、繋がれた私たちの手を見る。


 私は慌ててその手を振り払って、背中に手を回した。


「ち、違うよ!」


 そう言ったけど、ナナミは笑みを浮かべたまま顔を前に向けた。


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