携帯小説!(PC版)

トップページ >> ノンジャンル >> 話を聞いて。

話を聞いて。

[479] 十日十月 2011-01-13投稿



ガタンッ、バタバタッ!



大きな音をたてて、アイツはゴミ箱を倒しながら尻餅をついた。


……今、私とアイツ以外に誰もいない教室で、私がアイツを突き飛ばしたからだ。

大きな音に驚いたであろう同級生や先生たちが、次々と私たちのいる教室に押しかけ、アイツの周りに集まった。


「大丈夫?怪我ない?」
「…うえ〜ん。あの子が押してきたぁ。痛かったよぉ」


優しい声をかけられた途端、アイツは泣き出す。

すると、正義感の強そうな男教師がツカツカと歩いてきて、思いきり私の頬をぶった。


「あの子はクラスの友達だろうが!!何てことをしてるんだ、お前は!」

「先生、私は…」

「言い訳をするな!今すぐ指導室に来い!」


私の話なんて聞こうともせず、教師は私の手首を掴む。

周囲の野次馬が、口々に私を非難しているのが聞こえずともわかった。



ねぇ、ちゃんと聞いてよ先生。

掴んだ私の手首にたくさんの切り傷があるでしょう。

私の背後にある私の机に、沢山死ねって書いてあるでしょう。

私のカオに、擦り傷と青いアザがあるでしょう。

私の服はところどころ引きちぎられてて、ボロボロでしょう。

みんな、みんなアイツがやったのよ。


そこの人たちが心配してる中で、密かに笑ってるアイツがやったのよ。


どうして聞いてくれないの。

どうして言い訳だとしか考えてくれないの。

どうしてそんなに一方的なの。





人間はみんな平等なんて、誰が言い出したの?


感想

感想はありません。

「十日十月」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス