Kiss me!*14
翌朝。
ケイタから貰ったネックレスを持って鏡の前に立つ。
そしてそのネックレスを首もとにあててみた。
似合ってるかは分からないけど、あのケイタから貰ったものなんだなって思うと少し不快になる。
せっかく貰ったんだし、身につけないともったいないかな。
一応欲しかったやつだし。
でもケイタから貰ったってゆーのが気にくわない。
何か企んでるのかな。
まさか、ね。
でもやっぱりつけてみよう。
私はネックレスをつけて、それをブラウスの襟の影に隠した。
*
このネックレスつけてるの、ケイタに見つかりたくないなあ。
そう思いながらネックレスを手にとって見ていた。
「ユキ、おはよ!」
「え、あ、うん。おはよ」
いきなりナナミに声をかけられて、私はネックレスを慌てて襟に隠した。
「この前はごめんね。ユキと約束したのにさ」
「ううん。別にいいよ。また今度ね」
それからしばらくの間ナナミと話していると、廊下の向こうからケイタが歩いてくるのが見えた。
「あ。ユキ、先行ってたんだ」
「え、何?! いっつも2人で登校してんの?」
ケイタの言葉にナナミが反応を見せる。
私は慌てて否定するけど、ナナミは聞く耳を持たずに騒ぎ出す。
「どんなこと話すの? 帰りも一緒なの?」
「えーっとねえ───」
「言わなくていいから!」
話題を持ち出すのはケイタがほとんどで、その内容はどーでもいいよーなことばっか。
帰りも一緒だけど、それはケイタが勝手についてくるみたいな感じ。
正直、迷惑。
「じゃーさ、手繋いだ?」
「は?」
ケイタと、手、繋ぐ?
ないない。してないしてない。
するわけないじゃん。
「あるもんね?」
「え?」
ケイタの言葉が聞こえたと思ったら、私の左手はケイタの右手に握られていた。
感想
感想はありません。