わたしの恋愛履歴書2-6
わたしたちの間に共通の友人など居なかったから、サトがどうやってわたしのバイト先を探し出したのか、未だにわからない。
ほんの数ヶ月前は、待ち合わせ場所でサトのことを見つけた瞬間から胸が高鳴っていたけど、もうそんな感情はなかった。
「今さら、なに?」
わたしは歩きながら冷たく返した。
「うちに置いてったもの、全部持ってきたけん…」
サトが差し出したトートバッグの中には、退学した学校の参考書やらアクセサリーやら、あらゆる物が入っていた。
「いらない。捨てて」
「なんでそんなこと言うん…俺が悪かったよ。もうあんな風にはならないって誓うから。うちに来るのも、毎週じゃなくてもいいから」
予想通り、サトは復縁を迫ってきた。
「もう好きじゃないから。ってゆうか、彼氏いるしついて来ないで」
彼氏なんて居ないけど、出来る限りの嘘をついて突き放した。
「…彼氏いるん?」
サトが聞いてきたと同時に、わたしの視界に、前のバイト先の店長が駅に向かって歩いてる姿が入った。
ケイの相談にも乗ってもらって、よくしてくれたのにちゃんとお礼も言えずに辞めてしまった。申し訳ない気持ちと同時に、ある考えが浮かんだ。
「コウスケさん」
わたしは、呼んだこともない呼び名で店長を呼んだ。
呆気にとられる店長をよそに、わたしはサトに向かって言い放った。
「彼氏いるから、ついて来ないで」
サトは無表情で去っていった。
自分が最低なことをしたのは、重々承知していた。
でも、サトの暴力によって心も身体も深い傷を負ったのは事実。
わたしは必死に自分を正当化していた。
「ごめんなさい店長…」
サトが去った後。事情を説明しようとする前に涙がこぼれた。
「チヒロ、お前は本当に男を見る目がないなぁ。久しぶりに話したいから、どっか入ろかー」
全てを悟ったかのように、店長はいつものトーンだった。
ほんの数ヶ月前は、待ち合わせ場所でサトのことを見つけた瞬間から胸が高鳴っていたけど、もうそんな感情はなかった。
「今さら、なに?」
わたしは歩きながら冷たく返した。
「うちに置いてったもの、全部持ってきたけん…」
サトが差し出したトートバッグの中には、退学した学校の参考書やらアクセサリーやら、あらゆる物が入っていた。
「いらない。捨てて」
「なんでそんなこと言うん…俺が悪かったよ。もうあんな風にはならないって誓うから。うちに来るのも、毎週じゃなくてもいいから」
予想通り、サトは復縁を迫ってきた。
「もう好きじゃないから。ってゆうか、彼氏いるしついて来ないで」
彼氏なんて居ないけど、出来る限りの嘘をついて突き放した。
「…彼氏いるん?」
サトが聞いてきたと同時に、わたしの視界に、前のバイト先の店長が駅に向かって歩いてる姿が入った。
ケイの相談にも乗ってもらって、よくしてくれたのにちゃんとお礼も言えずに辞めてしまった。申し訳ない気持ちと同時に、ある考えが浮かんだ。
「コウスケさん」
わたしは、呼んだこともない呼び名で店長を呼んだ。
呆気にとられる店長をよそに、わたしはサトに向かって言い放った。
「彼氏いるから、ついて来ないで」
サトは無表情で去っていった。
自分が最低なことをしたのは、重々承知していた。
でも、サトの暴力によって心も身体も深い傷を負ったのは事実。
わたしは必死に自分を正当化していた。
「ごめんなさい店長…」
サトが去った後。事情を説明しようとする前に涙がこぼれた。
「チヒロ、お前は本当に男を見る目がないなぁ。久しぶりに話したいから、どっか入ろかー」
全てを悟ったかのように、店長はいつものトーンだった。
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