幸花
わたしの
一番の不幸は
こうして産まれてきてしまったこと。
こんなに毎日悩み
毎日涙をこらえて
24時間ずっと幸せだった日なんて
1日だってない。
自分より劣っている
自分より努力もしていない奴等が
自分よりも先に
自分がまだ見たことのない遠い未来を
近い未来を
高いトコロから見下ろしていて
こんなに苦しんでる
わたしが
焼きもちを妬かないはずがない。
時には彼らに八つ当たりした。
暴言を奮った。
自分だけが苦しかった。
自分だけが辛くて
辛くて辛くて…。
ケド、
受け止めて
そんなわたしを
受け入れてくれたのは
わたしが馬鹿にしていた
彼ら。
「頑張ってるんだから」
言ってくれた。
泣きそうだった。
知っていた。
「貴方のほうが」
知っていた。
誤魔化してた。
自分に味方していたかった。
「頑張ってるじゃない」
知っていた。
知っていた。
わたしは子供で
そんなわたしを
こんなに「大切」って言ってくれて
この人達に出会えて
よかった。
わたしの
一番の幸せは
こうして産まれてきてしまったことだ。
辛くて
悲しくて
毎日涙をこらえて
支えられて
愛されて
産まれてきてしまったのだ。
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