・・ 空 ・・第8話「逃走」
龍紅は手に持った大剣を肩の上に置いた。
「さてと・・雛姫、召喚獣なら俺らに勝てると思ってんのか??」
「えっ!??」
「俺ら聖血の戦士は瑠璃華様から聖なる石を貰った」
「・・聖なる石??」
「ああ」
龍紅は首に下げた赤い石のネックレスを指差した。
「俺はパワーストーン」
龍紅が地面に剣を振り下ろすと地面は割れ、地響きが鳴った。
「力を上げる石だ」
「!!・・・」
「そんな【ケルベロス】程度の召喚獣じゃ俺らは止められねぇ」
龍紅はケルベロス目がけて走り、剣を空高く振り上げた。龍紅が剣を振り下ろすとケルベロスの3つの頭の右端の頭を切断しケルベロスは声にならない声で空に向かい唸った。
「そっ!!そんなっ!!」
「だから言っただろ」
「クソッ!!癒しの風、魔獣【セイレーン】」
雛姫の剣が光り翼を持った鳥と人を書けあわせたような召喚獣が姿を現した。雛姫はセイレーンの背に飛び乗り、青海と空牙もセイレーンの背に乗せ一気に飛び立った。
「戻れ【ケルベロス】!!」
剣が光りケルベロスは剣の中へと戻った。龍紅と凛は空を見上げセイレーンの姿を目で追った。
「あ〜あ逃げられた」
「しょうがないわ。瑠璃華様の元へ1度帰り、雛姫の居場所を聞きましょう。それに琉鬼にあの少年の話をしてみないと」
「そうだな・・よし、1回戻るぞ」
凛はナイフで指先を切ると、しゃがみ血で地面に絵を書きその上に片手をついた。2人は光り出し、光りが消えると2の姿は絵と共に消えていた。
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