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わたしの恋愛履歴書3-2

[320] ちぃ。 2011-02-15投稿
元彼同士を比べるのはかなり気が引けるけど、トモはサトとは正反対だった。

雰囲気がほんわかしていて、相手の話をじっくり聞いてくれる、俗に言う癒し系。何より怒ったことがほとんど無いのが、サトとは正反対だった。

「今度、映画でも観に行きませんか?」

トモの一言で、うちらは初デートをすることに。

当日。
写メでしかお互いを認識してなかったけど、トモは想像通りの雰囲気だったから、すぐに見つけることができた。

「ごめんねー。待った?」

極度の人見知りを隠して、精一杯の笑顔で話しかけたわたしに返ってきたのは、

「いや、大丈夫だよ」

はにかんだ笑顔だった。

買物をして、映画をみて、ゆったりとした時間を過ごした。

「高いところが好きって言ってたよね?ランドマークに行かない?」

高いところを好きなの、ちゃんと覚えてたんだ…
少し驚いたわたしをよそに、トモは楽しそうだった。

ソファに座って見下ろすみなとみらいは、ちょうど日が沈む寸前で、オレンジ色が眩しかった。

「あの!」
さっきまでほんわかしていたトモが、いきなり真顔になった。

「もしよかったら、今度会うときは友達としてじゃなく、恋人として、会ってくれませんか?」

トモが醸し出す雰囲気に、すっかり心を奪われていたわたし。
けど、サトとの記憶がトラウマとして蘇ってきて、決断を鈍らせた。
少しの沈黙のあと。

「はい」
たった二文字の意思を伝えた。

晴れたカップルになったわたしたち。

優しいトモの雰囲気。

優しすぎるトモの雰囲気。

新鮮さが、苦痛に変わるまで。
長くは無かったことを、誰が予測できたのだろう。

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