携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 君とすごした日

君とすごした日

[397] シンプル 2011-02-16投稿
「いらっしゃいませ」
何てことのない買い物だった。 そう、いつものショッピングセンターの一角の、たまに覗きに行っていた何てことのない店。
「いつも来ていただいてますね。」 「はい。」 初めて交わした言葉だった。

「パパ、おもちゃ買いに行こ。」
「すいません、また来ます。」

十代で結婚、二十歳で父親になって、二十六になって久しぶりに胸がときめいた。

「パパ、愛ちゃんお風呂に入れてあげて。」 「パパ?」
「えっ?」
「どうしたの? ボーッとして!」
「いや、ちょっと疲れててさ…」

吉澤亮一 26歳。 娘の愛美は幼稚園の年長さん。 奥さんの由美子は姉さん女房のしっかり者。 どこから見ても幸せな家族だろう。

「ちょっと買い物に行ってくるよ。」
休み毎の口癖が出来た。 妻は何処に行くの?とも聞かない。
出掛ける先は妻もよく行く店。

「いらっしゃいませ。今日はお一人ですか?」
いつもの笑顔を見て、ほんの30分程で店を出る。
「買い物に行く」と言った体裁上、いつもほんの小さな何かを買って、ほんの少しの会話をして。
いつか名前を聞こうと思って、3ヶ月が過ぎた。

感想

感想はありません。

「シンプル」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス