夢跡†(12)
これだけ言っても浦田はまだ追及の手を緩めない。
「色々なんてあやしー…」
もう勝手に言ってろと、ため息を吐いた。
ノートを机から出そうとしたとき、
「あっ…」
ジャララララッ
教室に響く小銭の音。
誰かがお金を落としたようだ。
音のした方を向くと、口の空いた財布を手に、立ち尽くしている男子生徒がいた。
神田達のいる場所に近いため付近にも散らばっている。
自分の足元にも小銭が転がっているのを見て手伝おうと、手を伸ばした――
「触んなッ!!」
伸ばした手を叩かれた。
「え…」
予想外の行動に体が強ばる。
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