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君とすごした日-13

[341] シンプル 2011-02-23投稿
未練はないはずだった。吹っ切れたはずだった。

それなのに、心が揺れた。


1年振りに会った彼女は、以前と同じ少女のような笑顔だった。

テーブルを挟んで、何から話したらいいかわからずしばらく沈黙が続いた。


「相変わらず優しい目で見るね」

彼女が先に切り出した。

「優子ちゃんも変わらないね」

「やっぱりもう呼び捨てにしないんだ?」

「そりゃ…」
またお互いに黙ってしまった。

「美樹ちゃんからBF出来たって聞いたよ」

「うん…でも…
振られちゃった!!」

彼女はバツが悪そうに笑った。

「優子ちゃんみたいに可愛い子を振る奴の気が知れないよ」
ホントにそう思った。

「何度かデートしたんだよ」

「でもね…」

「プラネタリウムに行った時に、あまりの綺麗さに…」

彼女が口ごもった。

「その時にね… わぁ、すごいね亮くんって言っちゃった」

彼女の瞳が潤んでいるのがわかった。

「やっぱり亮くんじゃないとダメみたい」

その瞬間、僕の心でくすぶっていたものが、音をたてて弾けた。

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