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君とすごした日-18

[347] シンプル 2011-03-02投稿
「亮くん…」
僕の腕の中で彼女が話し始めた。

「やっぱり、娘さんの所に帰ってあげて。」

「亮くんが私の事を愛してくれてるのは勿論わかってる。 私も亮くんを愛してる。 でも、このままいると…」


おそらく彼女の口から言われるであろう言葉は予想できた。


「亮くんが毎日メールしてるのはわかってた。 大切な娘さんの為だと割り切ってたつもりだった。
でもいつか、娘さんへのメールにも嫉妬してしまう。 比べられないものと比べて、私とどっちが大切?って聞いてしまう。 どうせなら亮くんの中で嫌われる前に、いい思い出だけ持って終わりにしよ?」


泣き虫の彼女が、必死に堪えながら話していた。


「どうせなら、亮くんと知り合う前に時間を戻したい…」


そう言ったところで、彼女は堪えきれなくなって泣き崩れた。


ホテルを出ると、いつの間にか冷たい雨だった。

いつからか彼女に合わせて、車でかけるようになった久保田のCDから、『Rain』が悲しく響いた。

-さあ雨よ 激しくうて 僕のこの胸を Rain oh Rain 優しい雨は 今は辛すぎる-


その夜、二人は最後のキスをした。

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