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君とすごした日-19

[297] シンプル 2011-03-03投稿
優子が去った後の、ポッカリと空いた助手席。
僕の心にもポッカリと穴が開いたようで、その現実を受け止められないでいた。

気がついたらアパートの前に居た。


「ただいま」とドアを開けたら、優子が待っていてくれた気がした。

そんな幻さえも何故か虚しく映った。


その夜、彼女のアドレスが僕の携帯から無くなった…。



「愛ちゃん!!」
娘の学校が終わる頃、こっそりと迎えに行った。
「パパ!!」
飛びついてきた娘を高く抱き上げると、娘は僕の頬っぺにキスをして「お帰り!!」と笑った。
その後、僕の頬っぺをギュッとつまんで、
「これは愛を長い間放っておいたバツだよ!!」と言って、さっきの倍の笑顔で笑った。


「もしもし、ママ? 愛ね、今からデートだから少し帰り遅くなるね!」

「ええ〜!?」

「ママ、ビックリしてたよ」 悪戯っぽく笑う娘。いつの間にか大きくなっていた。


車の中で、娘は途切れる間もなく僕に話をした。

学校の事、ママの事、友達の事…
そして、「ずっとずっとパパの事を待ってたんだから…」と。


「ごめんね」


二人で手を繋いで玄関を開けると、ドアの向こうでは変わらぬ笑顔で由美子が待っていた。

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