スカバンburn!!〜夢〜 -169- 好きにならずにはいられない
「何聞いてるん?」
しばらくそれぞれ別れて店内をまわった後、一人で試聴していた伸昭に秋奈が訊いた。伸昭は何も言わずニコリと笑うとヘッドホンを秋奈の耳に当てた
「…この曲なんか聴いたことある…」
「“Can't help falling in love”。よくいろんな人にカバーされてるからじゃない?元は確か、エルヴィス・プレスリーやったかな」
「この曲好きなん?」
「今それ歌ってるバンドが元々好きやってんけどな。でもこの曲も改めて聴いていい曲やなって、今、思って」
「“今”?」
「“今”」
「ふぅん…でも、確かにいい曲」
ヘッドホンから流れる曲を聴く秋奈の顔が、やけに一生懸命で、そんな彼女の様子に伸昭は自分の表情が自然と緩むのを感じた。でも、その秋奈の表情が変わったり、その栗色の柔らかい毛先が揺れるたびに膨らむその感情を表す適当な言葉が見つからなかった
「気に入った?」
「…うん」
「そう。それは良かった」
「何で?」
「自分が好きな物を好きって人が増えんのって嬉しくない?」
「それがうちでも嬉しいん?」
「うん、嬉しいよ」
「これ買う?」
「どうしようかな」
「うちが買ってもいい?」
「え?」
「さっきのお返し」
しばらくそれぞれ別れて店内をまわった後、一人で試聴していた伸昭に秋奈が訊いた。伸昭は何も言わずニコリと笑うとヘッドホンを秋奈の耳に当てた
「…この曲なんか聴いたことある…」
「“Can't help falling in love”。よくいろんな人にカバーされてるからじゃない?元は確か、エルヴィス・プレスリーやったかな」
「この曲好きなん?」
「今それ歌ってるバンドが元々好きやってんけどな。でもこの曲も改めて聴いていい曲やなって、今、思って」
「“今”?」
「“今”」
「ふぅん…でも、確かにいい曲」
ヘッドホンから流れる曲を聴く秋奈の顔が、やけに一生懸命で、そんな彼女の様子に伸昭は自分の表情が自然と緩むのを感じた。でも、その秋奈の表情が変わったり、その栗色の柔らかい毛先が揺れるたびに膨らむその感情を表す適当な言葉が見つからなかった
「気に入った?」
「…うん」
「そう。それは良かった」
「何で?」
「自分が好きな物を好きって人が増えんのって嬉しくない?」
「それがうちでも嬉しいん?」
「うん、嬉しいよ」
「これ買う?」
「どうしようかな」
「うちが買ってもいい?」
「え?」
「さっきのお返し」
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