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大事な話

[747] 涼太 2011-03-06投稿
今日は2年間付き合ってきた彼女の誕生日だ。今日こそは結婚のプロポーズをしようと、心に決めていた。

新しく出来たビルのレストランに2人で食事に来た。これからプロポーズをするかと思うと、まるで初めて一緒に来たときのように緊張した。それでも、彼女を飽きさせないために、話し続けた。

食事が一段落すると、彼女は真剣な顔をして

「実は今日、大事な話をしようと思ってきたの」

と言った。まさか、彼女の方からそんなことを言うとは思わなかった。この日のために、サプライズまで用意してきたのだ。言われる前に言ってしまえ。

「お、俺も……話があるんだ。でもその前にあっちを見て。」

そう言って窓の向こうを指差す。

「何があるの?」

不思議そうに尋ねる彼女を尻目に、時計を見て、カウントダウンを始める。

「3、2、1、0」

カウントダウンが終わると、暗闇に突然、文字が浮かび上がった。Happy Birthday!
ビルの明かりだ。どうやらうまくいったようだ。安心した僕は、彼女の方を向いて言った。

「誕生日おめでとう。そして……僕と、結婚してください」

指輪をポケットから出して、彼女に差し出した。
……?
彼女の様子が変だ。……泣いているのか?

「……ありがとう」

泣くほど喜んでくれたのか?
だが、次の彼女の言葉に俺は絶句した。

「でもごめんなさい。私には、他に好きな人がいるの……。今日は……、別れようと思ってきたの……」

彼女はそう言うと、泣きながら僕から立ち去っていった……。

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