劇団ドリームシアター(10)
「この間さあ〜…」
義則が切り出した。
「なんだよ急に。なんかあったのか?」
哲次と剛行が、別の話をしていて、黙って聞いていた義則が、話しかけた。
「あっ、悪い。じゃあ、あとでいいや」
「いや、別にいいよ。俺らの話は、特別重要じゃないし」
「でも、俺だって、そんな急いだ話じゃないから…」
「まあ、話してみてよ」
「そうか…じゃあ話すよ。2、3日前にさ、仕事帰りに路上ライブをやっている女性を見てね…いつもだったら、通りすぎるのに、その歌声にしばらく聞き入ってたよ。でも、周りの人たちは、急いでなさそうな人も、誰も足を止めてないんだよね…なんでだろうと思ってね…」
「そりゃあ、価値観の違いもあるんじゃないの?お前が思っても、周りがそう感じなかったんだよ」
「そうかなあ…ただ、久しぶりに心に響くものがあったんだよね」
「へぇ…。で、ルックスは、どうなのよ。美形なのか」
哲次は、3人のなかでは、わりとルックスにこだわる方である。
剛行も、近い考えである。
「いや、その彼女には申し訳ないけど、いたって普通だと思う…ただ、なんてゆうのかなあ…、ちょっと違うんだよね…何かがね…うまく説明出来ないけど」
そう言えば、義則の人を見る目線は変わっていた。
何か、物事を見るにしても、主軸でやることよりも、その脇で、いい味を出していることや、人物に興味を持っているからだった。
例えば、アイドルグループがいたとしたら、メインで注目される者より、脇で密かな実力のある歌唱力を持っている子に注目したり、プロ野球でも、人気チームや、人気選手ではなく、地道に仕事をこなす選手に興味があるのである。また、不思議なくらい、その物事や、人物は長く活動していた。
2人とも、それをよく知るだけに、感心していた。
「まあ…お前が言うんだから、1度、見てみたいなあ」
「そうか…じゃあ都合があえば、見ようぜ。…ただ、その子の歌は引きつけるものがあるんだけどさ…なんか、心から歌えてないような気がするんだよね」
「心から?」
「うん、楽しい歌も、愛の歌もね」
「ふーん…」
そして、食事をしていた3人の食器を下げにきた女性従業員を見て、義則は驚いた。それは、今まさに、話題にしていた、唐木美和だったからである。
義則が切り出した。
「なんだよ急に。なんかあったのか?」
哲次と剛行が、別の話をしていて、黙って聞いていた義則が、話しかけた。
「あっ、悪い。じゃあ、あとでいいや」
「いや、別にいいよ。俺らの話は、特別重要じゃないし」
「でも、俺だって、そんな急いだ話じゃないから…」
「まあ、話してみてよ」
「そうか…じゃあ話すよ。2、3日前にさ、仕事帰りに路上ライブをやっている女性を見てね…いつもだったら、通りすぎるのに、その歌声にしばらく聞き入ってたよ。でも、周りの人たちは、急いでなさそうな人も、誰も足を止めてないんだよね…なんでだろうと思ってね…」
「そりゃあ、価値観の違いもあるんじゃないの?お前が思っても、周りがそう感じなかったんだよ」
「そうかなあ…ただ、久しぶりに心に響くものがあったんだよね」
「へぇ…。で、ルックスは、どうなのよ。美形なのか」
哲次は、3人のなかでは、わりとルックスにこだわる方である。
剛行も、近い考えである。
「いや、その彼女には申し訳ないけど、いたって普通だと思う…ただ、なんてゆうのかなあ…、ちょっと違うんだよね…何かがね…うまく説明出来ないけど」
そう言えば、義則の人を見る目線は変わっていた。
何か、物事を見るにしても、主軸でやることよりも、その脇で、いい味を出していることや、人物に興味を持っているからだった。
例えば、アイドルグループがいたとしたら、メインで注目される者より、脇で密かな実力のある歌唱力を持っている子に注目したり、プロ野球でも、人気チームや、人気選手ではなく、地道に仕事をこなす選手に興味があるのである。また、不思議なくらい、その物事や、人物は長く活動していた。
2人とも、それをよく知るだけに、感心していた。
「まあ…お前が言うんだから、1度、見てみたいなあ」
「そうか…じゃあ都合があえば、見ようぜ。…ただ、その子の歌は引きつけるものがあるんだけどさ…なんか、心から歌えてないような気がするんだよね」
「心から?」
「うん、楽しい歌も、愛の歌もね」
「ふーん…」
そして、食事をしていた3人の食器を下げにきた女性従業員を見て、義則は驚いた。それは、今まさに、話題にしていた、唐木美和だったからである。
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