がんばったで賞 110 〜忍び寄る影〜
まず、デートの日アキが来てくれるかどうかも分からない。
「…何考えてるの?もしかして不安?」
「不安も…あるけど…。」たどたどしい返事。
「たとえアキがこなくてもずっと待つのよ。」
サユは笑顔がないカズヒロに喝を入れた。
カズヒロは、未だ迷っていた。
12月27日。穏やかな冬晴れ。
カズヒロは、少し間を空けて、玄関の扉を開ける。
あのことがなかったら、もっと陽気な自分がいたのに。
カズヒロには、笑顔がなかった。
小さな白愛高校前駅前が集合場所。
カズヒロは、アキがいると信じて、駅に向かった。
アキはその頃すでに駅で待っていた。
しっかり、デートの日は分かっていた。
でも、カズヒロ同様、気持ちは乗らない。
アキの心は、深い闇に包まれていた。すると、
「アキさん?」
その気配…。
『タクヤ先輩…どうしてここに?』
それもそうだ。タクヤ先輩は東京在住。こんな田舎にどうして…。
「い…いや…友達がここにいるから。」
…嘘だった。
「今日はどうしたの?こんなお洒落して。」
『い…いや…ちょっと…。』
アキがたじろいでいると、「デート?」
と聞かれた。
『どうして分かったんですか…。』
「だって…向こうに見えるもん。男の子がこっちに来るよ。」
人通りの少ない駅前。歩行者は目に止まりやすい。
それは、カズヒロだった。
「…何考えてるの?もしかして不安?」
「不安も…あるけど…。」たどたどしい返事。
「たとえアキがこなくてもずっと待つのよ。」
サユは笑顔がないカズヒロに喝を入れた。
カズヒロは、未だ迷っていた。
12月27日。穏やかな冬晴れ。
カズヒロは、少し間を空けて、玄関の扉を開ける。
あのことがなかったら、もっと陽気な自分がいたのに。
カズヒロには、笑顔がなかった。
小さな白愛高校前駅前が集合場所。
カズヒロは、アキがいると信じて、駅に向かった。
アキはその頃すでに駅で待っていた。
しっかり、デートの日は分かっていた。
でも、カズヒロ同様、気持ちは乗らない。
アキの心は、深い闇に包まれていた。すると、
「アキさん?」
その気配…。
『タクヤ先輩…どうしてここに?』
それもそうだ。タクヤ先輩は東京在住。こんな田舎にどうして…。
「い…いや…友達がここにいるから。」
…嘘だった。
「今日はどうしたの?こんなお洒落して。」
『い…いや…ちょっと…。』
アキがたじろいでいると、「デート?」
と聞かれた。
『どうして分かったんですか…。』
「だって…向こうに見えるもん。男の子がこっちに来るよ。」
人通りの少ない駅前。歩行者は目に止まりやすい。
それは、カズヒロだった。
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