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がんばったで賞 111 〜カズヒロ対タクヤ。るー6おすすめ〜

[307] るー6 2011-03-20投稿
「あれが…カズヒロか…。」
タクヤは手話を使わずに言った、と同時に口の動きを察知されないよう、マスクを付けた。
「ごめん…、待った?」
アキは首を横に振った。
「よかった…この人誰?」
カズヒロはタクヤを指差した。
『オープンキャンパスで知り合った先輩の…』
と言いかけたとたん、タクヤがとんでもない事を口にした。
「あ…東条アキの彼氏の、斎藤タクヤと申します。よろしくお願いします。…お友達?」
「えっ…?」
カズヒロは驚いた。
タクヤは手話を使わずアキの彼氏と気やすく言っている。
「あまりの衝撃に言葉も出ないか…。」
タクヤはカズヒロの周りをぐるぐる回った。
「たかが17の高校生が、アキを守る!とか、よくほざいているらしいけど…社会って怖いんだよ。」
「…。」
カズヒロは耐えた。
「耳が聞こえない女は最高だ。マスクをすれば俺が何喋っているか分からない…。」
カズヒロの拳が握られていく。
「アキは俺のおもちゃにさせてもらうからな。」
その時、カズヒロの怒りが頂点に達し、タクヤを殴った。
アキは、何が起きているのか分からず困惑している。「…行こう。」
カズヒロはそう言うと半ば強引にアキの手を引っ張った。
その目には、涙が浮かんでいた。

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