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空と挨拶と先生

[436]  2011-03-22投稿
「おはようございます。」そんな当たり前の挨拶なのに私は、嬉しくて誰よりも早く挨拶しようと早起きが苦手な私は、目覚まし時計を5つセットをして起きている。
ただ、司先生に一番に挨拶したくて…
司先生は、いつも誰もいない屋上にいくのが好きだ。
だからたいていは、屋上にいけば会える。
タバコをくわえながら屋上に広がる空を見ている。
私も屋上の空は、好きだ。でも、先生がいない屋上の空は嫌いだ。なんだか、雨でも降るのかと思うくらいの重たい空になる。
だから、嫌いだ。
でも、先生がいるだけで雲ひとつない綺麗な空に見える。だから、先生がいる屋上の空は好きいだ。
そうやって毎日同じように屋上に通い先生に挨拶。
そんな、当たり前の生活が私にとってすごく幸せなことだった。
いつものように朝早く起きて屋上にいくとそこには、先生の姿はなかった。
私は、学校を探し回った。けど、先生の姿はなかった。走りながら探しているせいか汗がポツっと頬から流れてきた。
私は、汗が落ちようと気にせず走り司先生を探した。その時、後ろから声が聞こえた。司先生の声だった。
振り返るとそこには、司先生がいた。思わず
「先生」と大声を出してしまった。
司先生は、驚いた顔でこっちに走ってきた。
そして私の顔をいつもは、タバコかチョークそして、ペンなど必要最低限のものしか触れない司先生。生徒に触るなんて滅多にない司先生が私に触れた。
その大きな手は、私の顔を包んだ。その手は、武骨なのに優しく暖かい手だった。
「司先生?」と私が声を出すと司先生は、瞬時に話し出した。
「バカ、何で今ここにお前がいる。」と少し怒りめの声でいった。私は
「だって、先生に挨拶したくて…でも、何処にもいないから…」と言い訳のようになったが私は、答えた。すると、司先生が
「バカ、バカ、バカ」と何回もバカと言う言葉を連呼した。そして、締めかのように私に怒鳴った。
「何で、家にいない」と司先生が言った。私は、予想もしていなかった言葉に驚いた。そして、続けて
「今日は、俺がお前に一番に言おうと思って家まで行ったのに…」と顔を赤らめていった。私は、その顔可愛くてそれが嬉しくてずっとその顔を見つめていた。
「大好きだよ」と心の中で呟いた。
叶わない恋だから、生徒と先生だから…
でも、どうしても伝えたくて私は、言葉を変えて
「司先生、私ね、先生に会ったあの屋上の空…夕焼けの空が好きでした。」と少し声が震えたが最後まで言えた。私の思い…そして、言い終わった私は
「ばいばい」と言って走り去った。
泣いている姿を見せたくなかったからだ。
察してくれたのか司先生は、なにも言わずに走り去る私の姿をずっと見つめているような気に私はなった。残された司先生は、夕方屋上に訪れていたと次の日知った。
その事が、学校の女子たちの間で噂になっていた。昨日屋上にいた司先生が空を見て泣いていたと言っていた。
私は、その姿を見てはいないが先生には、見えなかったそうだ。
私は、思った。先生もあの屋上の夕焼けを見て同じことを思ったのではないかと。
私と同じように一人で見る夕焼けは、「どうしてこんなに悲しい色なんだろう」と、二人で見ていた夕焼けは、「どうしてこんなに頬を赤く染めた色ににているんだろう」と思ったのではないかと少し私は、期待をしてしまった。
どうしてかな、好きな人ができるとどうしてこんなに世界が綺麗で思いどうりにいかないのかな…ねぇ、先生…先生もそう思わない?

感想

  • 41028:先生に恋は辛い[2011-03-22]

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