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忘れてしまう悲しみよりも想い続ける悲しみを

[807] となりのトトりん 2011-03-22投稿
言葉では比喩できぬほどに愛されて

命溢れる泉のように
永久に途切れぬ
錯覚をしてしまっていたのです

失くならぬ愛などないと思っていた氷は
感ずることのないほどに
貴女の愛に融かされたのです


気付かぬうちに失うことへの恐れが
さらさらと融き解かれ

指の隙間から零れる一握の砂に
私は愚かにも気づけなかったのです

これからの時の重ねに
何を求めるのでしょう

見えぬものへの想像を
幾ら重ねれば
透明に色をのせることができるのでしょう

貴女への愛をどうすれば
消し去ることができるのでしょう


安息の心は針筵を歩くように
痛み続け

籠の中で怯えながらも
飛べない姿に苛立ち

剥がれた爪に巻いた包帯も
白を失なってしまったのです


私は

それでも私は

忘れてしまえる一年よりも
想い続ける千年を思うのです


例え貴女が他の誰かを愛したように
私が誰かを愛せても

貴女への愛は
決して消えぬケロイドのように
私の心に残るのです


だから

だから私は

貴女を忘れてしまう一年よりも
想い続ける千年を思うのです

例え
それがどれだけ辛く哀しい千年でも

例え
独りになってしまっても

貴女に教えられた
永久に続く愛を
貫き信じたいのです

そして
貴女の過去の言葉と
今の心を守りたいのです

だから私は
貴女の言葉が嘘にならないように

貴女を忘れてしまえる一年よりも

貴女を想い続ける千年を思うのです

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