携帯小説!(PC版)

純心 [前]

[340]  f→ve  2006-09-10投稿
心が具体的に形を持っているなら、僕のはまるで贅肉だらけの膨れたお腹だ。
余計な感情ばかりが心の周囲を囲んで、いざ心に用事が出来たときに通せん棒して邪魔をする。
おまけに自分から云いたかったコトや今言いたいコトを留めてしまう。
ある人は〈素直じゃないね。〉と、またある人は〈何で嘘付くの?〉と、僕に鋭い言葉が向けられ、心を突き刺す。
器用にもその時贅肉は何処かへ外出し被害を受けないでいる。だから結局誰の責任にも出来ず、体内の具現化した心に対して不燃の感情を押しつけることも出来ない。
苦しんで、もがいて、そんな時僕の中にある心は高々と嘲笑っている。
きっと黒くて硬い、卑屈な物質に違いない。
ひたすら僕は心の醜悪を攻めて、その受け返しは長い苦痛と後悔で見事にヒットする。
もううんざりだ。
素直になれないのは人のせいじゃない、自分を集約するアレがいけないのだ。
嘘を付くのは逃避目的じゃない、自分を動かすアレがいけないのだ。

こんな僕を丸ごと理解してくれる人はいるのだろうか。
心がどんな形でも、周りに何があろうと、全部を受け止めてくれる貴方の心は、僕に訪れるだろうか。

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