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奈央と出会えたから。<424>

[423] 麻呂 2011-03-28投稿

少しずつ、クリスマス色に染まりつつある街中を、


聖人とたわいのない話をしながらゆっくり歩く――



『そういやこの前、うちの親父が、奈央の母さんトコで弁当買った時、釣銭もらうの忘れたらしくてよ、

後で気付いて、取りに行ったらしいケド、奈央の母さんに笑われたってヘコんでたぜ。』



『あはっ。そう言えば、うちのお母さんも言ってた。

聖人君のお父さんが、お釣りを忘れて行ったのよって。』



『ハハハ。うちの親父、奈央の母さんのコト、マジみたいだな。

やべーかも。』



『ヤバイ?!何で?!全然ヤバくないからっっ。

うちのお母さんだって、聖人のお父さんのコト、

前から好感持ってるしっっ。』



コウカンモッテルシ――



そう――



それは――



本当のコト――



そんなの、



お母さん見てれば分かるよ――





『もしかして、両思いだったりしてな?!』



『あは。そうだったりして。』



『ハハハ。面白れぇ――。』





聖人は、


冗談ぽく笑って、サラっと流してしまったけれど、


ホントにそうだったら――


ホントに――


どうなるんだろう――


お母さんにはお母さんの人生があるんだ。


だからその時は、


お母さんの幸せを一番に考えてあげたい。


いつも苦労をかけて、


心配ばかりさせているあたしが、


唯一、かけてあげられる言葉は、


たぶん、


そういうコトバ――



そして――





『奈央。』



『え?』



あたしは聖人からもらったコトバで――





『クリスマス。

今年は2人で過ごそうぜ。』



『‥‥うん。』





びっくりしたのと、嬉しかったのとで、



胸がキュンと痛くなった――





『プレゼント何がいいか考えといて。』



『うん/////』





聖人の手の温もりを感じながら歩いた小樽の街並みは、



うっすらと雪化粧――



クリスマスまでに、どのくらい積もるのかな。



ねぇ聖人。



ホワイトクリスマスだったら素敵だね☆

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