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幼き日の思い出

[249] 高飛 愛哉 2011-03-29投稿
赤茶色のセミロング
少しつり上がってる目
スラッとした長身
水沢 いちご
「T高校…か…
あいつ 元気にしてるかな…」
いちごは校門をくぐりぬけた



キーンコーンカーンコーン…
ペタペタ… ガラッ
教室の戸が開いた
「はーい 席ついてー
HR始めるー」
担任が歩きながらそう言う
その言葉を聞いた生徒たちは
席につく
「じゃ、出席とる
相羽」
「はい」

何秒かしてオレ、山本 真の名前が呼ばれる
オレは真面目に返事する

オレはみんなに地味と呼ばれている
顔立ちとかじゃなく
雰囲気、性格が地味と言われる
顔立ちは微妙
つり上がってもなく
垂れてもない目
少しくろい肌 薄い眉毛
身長は170と高くも低くもない

性格もはっきりしない

オレはそんな性格なので
小さい頃はよくいじめられていたそんなオレにかまってくれた女の子がいた
いつも助けてくれた


昔の事から現実にひきもどされた
何故なら みんなが一気にうるさくなっていたからだ
「先生、それマジで!?」
状況についていけないオレは
となりの坂本に聞いてみる
「どうしたの
みんなうるさいけど」
すると坂本は
「なんか転校生来るらしいよ」
「ふーん」
オレは興味ないような返事する

「入ってください」
担任がそう言うと戸が開いた
転校生はスタスタと教壇の前に歩いていく
教壇の前に立つと 前を向く
「水沢 いちごです
小さい頃この近くに住んでいました
よろしくお願いします」
少し高い声だ
オレは転校生に見覚えが少しあった
あ…
あいつだ…
小さい頃いつも助けてくれた女の子
水沢…いちごだ

オレは声が出ていた
「い、い、いちご!?」
「なんだ、山本と知り合いだったのか
水沢は山本の横 でいいな…
坂本、 空いてる席とお前の席
今 交代してくれ」
「はーい」
呑気に返事する

坂本は移動させる
「じゃあ水沢、
空いてる席に座って」
「はい」
いちごはこっちに歩いてくる
スクールバックを横にかけ
オレに顔を向ける
「相変わらず 冴えない顔してるねぇ〜」
「なっ…!?」
オレはちょっとカチンとくる

それにしても変わってるな〜
身長といい、顔立ちといい…

でも 変わってないところが…
オレは無意識に胸に目がいく
「な、何よ!この変態!」
叩かれるオレ
「いたっ!」
叩かれた頬をおさえる
そんな感じで話していたが担任が割り込んできた
「山本、水沢
うるさいぞ〜」
「あ、すみません」
オレはとりあえず謝った







昼休み
オレは昼ごはんを食べ終えたのでふらふらしていた
歩いていると前からいちごが歩いてきてるのが見えた
「あっ!真
ちょうどいいところにいた!
この学校広いから迷いそうなんだよね…
学校案内してくれない?」
「えっ…まぁ…
いいけど…」
2人は一緒に歩き出した


「…で、ここが保健室」
「ありがとっ助かったよ!!」
いちごはそう言うと笑った
ドキッ
オレはその笑顔に不覚にもときめいてしまった
「じゃ教室戻るわ」
いちごはそう言うとオレに背を向けた
その時、歩いてきた3年の先輩にぶつかった
「ってぇな…」
ぶつかった先輩は不良だった
「な、何よ…
私が悪いっていうの…?」
「んだよ
その口の聞き方は
女だからって容赦しねぇぞ?」
手をつかむ
「やっ…離して…」
「やめろよ
いちごに触るな」
「あ!?
誰に向かって口聞いてんだ!!
この地味男が!!」
不良はオレの顔を殴った
「真…!」
いちごが横で驚く
「………別に痛くないけど?」
「ちっ……」
不良は舌打ちしてその場を去った
「真、大丈夫!?
あ…アザできてる…」
いちごはオレの口の端に触れる
「痛くない!?
「ん…少し痛い」
「バカ…弱いのに無茶するから…」
涙がこぼれ落ちる
「弱くないよ
今は力あるよ」
「嘘でしょ」
オレは少しイラッとくる
「本当だよ」
オレはいちごをお姫さま抱っこする
意外と軽かった
「ひゃあ!
どこ触ってんの!?
変態!」
抱き抱えながらも暴れるいちご
「ちょ…そんな暴れたら…」
ドサッ
「いたた…」
目を開けるいちご
いちごはある事に気づく
真から見下ろされてる
「!?!!!?」
押し倒されてる体勢だ、
「いちごが暴れるから…」
真はそう言いつつ
今押し倒してるいちごに目がいく白い肌に少し赤い頬
長いまつげ
さらっとした赤茶の髪

いちごも真に見とれていた
昔と違い、少し小さい顔
意外にも澄んでる目
整った眉毛
形の良い唇
Yシャツの間からちらりと見える鎖骨
「いちご?どうした?」
「いや、何でもない!!
ちょっと…どいてくれないかな……」
「あ……ゴメン…」
真はどく
いちごは起き上がる
いちごは今もドキドキしていた
真もだ

オレはいちごのスカートに目がいく
…めくれていちごの細くて、白い脚があらわになっていた
「いちご…おもいっきしスカートめくれてる」
いちごは顔を赤くする
「どこ見てんのよ!変態!」
「なっ…!?」



チャイムがなり
昼休み終了



すーすー…
隣の席から聞こえてくる
真だ
まったく…人の気も知らないで
気持ち良さそうに…
何で私、真なんかにドキドキしたんだろ…
絶対おかしいよ 私
それにしても…
結構いい顔立ちしてる
小さい頃はここまでかっこよくなかったのに…
見ているといきなり真が目を開けた
「何…?」
「のゎああああ!!?
起きてたのぉぉ!?」
「今 目ぇ覚めた
…で、何」
「いや何でもない!!」
「?いちご、顔赤いけど
どうした?」
真は尋ねた
「な、な、なんでもないってばぁ!」
そこに割り込んできた担任
「こら
山本、水沢うるさいぞ」
「「すみません」」
2人一緒に謝った




翌日…

青い空 白い雲
少し気温が高い
いちごは、カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた
立ち上がり カーテンをシャッと開けた
いい天気だったので、
いちごは嬉しくなった

ベットから降り、
制服に着替えた

階段を降りて洗面所に行った
顔を洗い終えたいちごはリビングに行った

母が朝ごはんの準備が終わった所だった
「あら今日は早いのね、
ま、いいわ 食べましょ」
いちごは椅子に座った
「いただきます」
味噌汁を飲む
次に納豆をまぜ、ごはんにかけるそれを食べていく
10分位して食べ終わる


歯を磨き、髪をセットして家を
出た


教室に入る
男子が4、5人輪になっている
中心にいる男子は
写真集らしき物を持ってる

その中には真がいる
「うわ!亜津子ムネでけぇ!!
真も好きだろ!?亜津子」
「う、うん」
いちごはイライラした
どうせ、そーゆー女の子が
好きなんでしょ!…こんな私じゃだめだよね…
いちごは自分のムネをちらりと見る
アイドルとちがって小さい
どうせ、体つきしか見てないんだね!!
真のバカ…



「いちご、
理科室行こう」
「…いい」


「いちごー弁当食おーぜ」
「いい…一人で食べる」
ふらりと歩く
「………?」


放課後

「いちごー
一緒に帰ろうぜ」
話しかける
「いい…一人で帰る」
スタスタと速足で歩く
真 ついていく
「何?ストーカー?」
「違う」
「じゃあ何?」
「話して」
「イヤ」
「オレ…何かしたかよ…」
いちご振りかえる
真は目を伏せてる
「し…真が悪いんでしょ!?」
「なにもしてねぇよ」
「したよ…」
涙がこぼれ落ちる
「どうせ…私じゃだめなクセに…」
「な…にが…」
「わ…私
後前田亜津子(ABC44)みたいに女の子らしくないし…
背だって…ムダに高いし、
ムネだって…ちっちゃいし…」
途切れ途切れに話す
「何が女の子らしくない、だよ
いちご 気づいてねぇだろ」
「……?」
「いちごはそのままでいい…
笑った時も…照れてる時も…
そー気にしてるトコロも…
オレにとって
すごく 可愛い」
「嘘…」
「オレ……
いちごの事…………
好きだ…」
赤面する

「私もこんな気持ちはじめてだから、よく分かんないけど…
これだけは分かる…
真が好き…です…」
「ゴメン…いちご…
もう泣くなよ…」
「……これは嬉し泣きだよ…
真…スキ」
オレはいちごを抱きしめ
顔を近づけ…キスした
「……………… 」
「……………………………」
オレのファーストキス
17才の秋
紅葉の木の下

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