サマーインパクト 3
三話 「槍、目覚める。」
ふらつきながらも逃げようとする。
だが先ほどの音からなのか、それとも恐怖からなのか足が思うように動かない。
そんなシンヤの焦りも知らず、セミはゆっくり地面を揺らしながら迫ってくる。
「だ、誰か・・・!」
辺りには誰もいない。
一段と地面の揺れが激しくなる。
「誰か!」
揺れが止まった。
何が起きたのか、シンヤはゆっくりと首を回す。
大きな黒い目玉がすぐ近くにある。
その顎からは血の匂いがする。
「うわああああぁぁぁぁ!」
シンヤを砕くはずだった顎は空振りした。
シンヤは腕を強く引っ張られるのを感じて、見上げる。
「サヤさん・・・」
「何ボーッとしてるの?!死にたいの?!」
サヤは震えるシンヤを強引にワゴン車に押し込んだ。
「戦闘機が時間稼ぎしてる間にざっと説明するわ」
窓の外を見上げると戦闘機がセミと交戦している。
「見てもらった通り相手には通常兵器が利かないわ。炎や雷、水、氷とか自然の力を利用したら少しのダメージは与えられるわ。でもそれじゃ効率が悪いの」
サヤが外を見るように促す。
戦闘機は放水や火炎放射でセミを攻撃している。
だがあまりダメージを受けているとは思えない。
せいぜい足止めになるくらいだ。
「んで、私たちが開発した対メガインセクトの武器、それが波動兵器よ」
「波・・・動?」
「ええ、物質がもつ振動するエネルギー、気やオーラとも呼ばれるわ。あなたは波動が他の人間と比べて桁違いに強いの。これがあなたが国に選ばれた理由よ」
「波動が・・・強い?」
「やってみれば分かるわよ」
そう言うとサヤは車から降りるよう促す。
降りてしばらく待つと、サヤが何かを取り出してきた。
長さはサヤと同じくらいの錆びれた鉄のような棒。
いや、先は尖っている・・・槍だろうか。
「これが波動兵器の一つ、ヴァイブランスよ」
サヤが槍を差し出す。
槍を手に取ろうとした刹那、何か電流のようなものが手に、胸に、頭に、足に広がる。
しかしそれは心地よく感じた。
槍を握りしめる。
先ほどの感覚がより強く体を駆け巡る。
「これが波動兵器の真の姿・・・」
錆びれた槍は蒼白い波動を纏い、変形し太く勇ましい槍へと変貌した。
ふらつきながらも逃げようとする。
だが先ほどの音からなのか、それとも恐怖からなのか足が思うように動かない。
そんなシンヤの焦りも知らず、セミはゆっくり地面を揺らしながら迫ってくる。
「だ、誰か・・・!」
辺りには誰もいない。
一段と地面の揺れが激しくなる。
「誰か!」
揺れが止まった。
何が起きたのか、シンヤはゆっくりと首を回す。
大きな黒い目玉がすぐ近くにある。
その顎からは血の匂いがする。
「うわああああぁぁぁぁ!」
シンヤを砕くはずだった顎は空振りした。
シンヤは腕を強く引っ張られるのを感じて、見上げる。
「サヤさん・・・」
「何ボーッとしてるの?!死にたいの?!」
サヤは震えるシンヤを強引にワゴン車に押し込んだ。
「戦闘機が時間稼ぎしてる間にざっと説明するわ」
窓の外を見上げると戦闘機がセミと交戦している。
「見てもらった通り相手には通常兵器が利かないわ。炎や雷、水、氷とか自然の力を利用したら少しのダメージは与えられるわ。でもそれじゃ効率が悪いの」
サヤが外を見るように促す。
戦闘機は放水や火炎放射でセミを攻撃している。
だがあまりダメージを受けているとは思えない。
せいぜい足止めになるくらいだ。
「んで、私たちが開発した対メガインセクトの武器、それが波動兵器よ」
「波・・・動?」
「ええ、物質がもつ振動するエネルギー、気やオーラとも呼ばれるわ。あなたは波動が他の人間と比べて桁違いに強いの。これがあなたが国に選ばれた理由よ」
「波動が・・・強い?」
「やってみれば分かるわよ」
そう言うとサヤは車から降りるよう促す。
降りてしばらく待つと、サヤが何かを取り出してきた。
長さはサヤと同じくらいの錆びれた鉄のような棒。
いや、先は尖っている・・・槍だろうか。
「これが波動兵器の一つ、ヴァイブランスよ」
サヤが槍を差し出す。
槍を手に取ろうとした刹那、何か電流のようなものが手に、胸に、頭に、足に広がる。
しかしそれは心地よく感じた。
槍を握りしめる。
先ほどの感覚がより強く体を駆け巡る。
「これが波動兵器の真の姿・・・」
錆びれた槍は蒼白い波動を纏い、変形し太く勇ましい槍へと変貌した。
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