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ディフェンド

[326]  2011-04-17投稿
11.


 6年前。


 朝、怒鳴り声で目が覚めた。


 両親が喧嘩しているのだろうかと思ったが、よく聞くと両親ではなく複数人の男たちの声だと分かった。


「ケイゴ。ここに隠れてなさい。絶対に出てきちゃだめよ」


 突然部屋に入ってきた母からそう言われ、何がなんだか分からないままクローゼット入れられた。


 クローゼットの中から耳を立てて聞いていると、何を言っているか分からないが、両親と男たちが何か言い争っているようだった。


「止めてください!」


 母の声だった。


 刹那、銃声。続いて連続して3発。


 銃声がなると家の中は静かになった。


「父さん……母さん……」


 ケイゴはクローゼットから出て部屋の扉を開け静かに階段を下りた。


 そこから見えたもの。それは銃で体を撃ち抜かれ倒れている両親の姿だった。


「おや。子どもがいたんだ」


 その声にケイゴはビクッとしてその方を見る。


 そこにいたのは銀色の髪を背中までたらした男だった。


 その男の後ろには5人の黒服を着た男がいて、そのうちの1人は拳銃を手にしていた。


「お父さんとお母さん、死んじゃったよ?」


 銀髪の男は微笑しながら言った。


「キミも、お父さんとお母さんのとこ行く?」


 殺される。ケイゴはすぐに思った。


 銀髪の男がゆっくりと近づいてきて、ケイゴは後ずさりしながら男から離れようとするが、しばらく行くと背中に扉がぶつかった。


 逃げ場は、ない。


「逃げていいよ?」


 男はまたしても笑いながら言った。


 ケイゴは扉を開けて外へ飛び出した。


「鬼ごっこだ!」


 後ろから男の声が聞こえてきて、ケイゴは男に捕まらまいと必死に駆ける。


 だがケイゴはまたしても逃げ場を失った。


 目の前は行き止まりだ。


 するとその時、後ろから飛来してきた何かがケイゴの右腕を切り裂いた。


 ケイゴはその場に倒れ込み右腕を見ると、そこからは血が流れ出ていた。


「ゲームオーバー、だね」


 もう終わりだ。そう思った。


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