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がんばったで賞 116 〜カズヒロの壮絶な過去〜

[367] るー6 2011-04-21投稿
スカイツリーに目をとられて、意外と近くにあった雷門に気づかずにいた。
「せっかくだし、お参りしよう!」
『2人の愛?』
アキは照れながら、カズヒロにくっついた。
「うん。もちろん。」
本当に、幸せだった。
旅の最後は、やっぱり浅草。
こうやって、人込みに塗れながらも、行きたかった場所。
だってここは…。
今から10年前のこと。
俺が、7歳の時。

「さっ。カズヒロ。今日はカズヒロが楽しみにしていた東京へ出かけるのよ。」
「わーい!」
あの時、喜んでいた。
この後の展開なんて、何も知らなかったから。
「カズヒロ、ずっと楽しみにしてたもんな。」
「うん!」
幸せな家庭だった。
電車の窓から東京のビル群が見えてくると、俺は田舎者のように、上ばかりを気にしていたっけ。
東京駅。
「ここからバスにのって、まずは浅草行きましょうか。」
そうして、最初に向かったのは、浅草の、もちろん浅草寺。
雷門は、まだ小さかった俺にとっては、とても雄大に見えた。
お参りをすませると、
「カズヒロ、何お願いしたの?」
「んーと…ママとパパと僕が、ずっと仲良く暮らせますようにって…。」

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