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宇宙戦隊・6

[389]  豆宮  2006-09-10投稿
コウは棺に横たわる自分の姿を見た。
友達が棺の前で泣いている。特に仲の良くない、ただの同級生の中には、ハンカチで涙を拭う素振りをしながらも棺の中の自分を興味津々に凝視している者もいる。

奧の方にピンクのワンピースを着て座っている女が見えた。
紛れもなく、自分の母だった。
コウは母のそのイデタチに、呆れて物も言えなかった。
隣で、母の腰に手を回している男が噂の“石田さん”だろう。母より少し年下だろうか。母を心配してしっかりと支えるその姿は、はたから見ればさぞ頼もしく優しいものだろう。目元が薄く笑っているけれど。

遺影には今年始めにクラスで友達と撮った写真が使われている。半目でちょっと不気味に笑ってるやつだ。先月に撮ったやつの方が写りが良いのに。

コウは棺の中の自分に触れようとした。しかし手はすり抜けて、当然触れたという感触もない。
コウは改めて、自分は今“魂”の状態にあることを確認した。

…あのヤブ医者め。何が余命あと二ヶ月だ。ニ週間じゃねーか。こうなったら完全に成仏する前に呪い殺してやる…



『君が今するべき事はそんな事じゃ無いよ。』


声がした。それは間違いなく、死ぬ前に聞いたあの声…

コは声のする方を振り向いた。


「ひっっ……!!」


そこには“何か”がいた。流れるような輝く金髪。その左腕はライオンの腕で、体には白い布を纏い、白い蛇を首に巻き付けて微笑んでいる。中性的な顔で性別の判断はできないがその淡麗な顔立ちは見てるだけで酔ってしまいそうなほどだ。

「おまえは…一体…」
『こっちへおいで』

“何か”はコウの腕を掴んだ。
コウが驚いて抵抗しようとすると“何か”とコウの体は宙に浮いた。

「え…!?」


気付けば屋根は足の下にあり、雲の中をすり抜け、形容しがたい色彩の大気中を進んでいく。



一瞬、辺りが真っ暗になったかと思うと、次の瞬間には青いものが目に飛び込んで来た。
それが地球だと悟るのに、時間はかからなかった。


「ここ……は…」
『宇宙だよ』

呑気な口調で“何か”が言う。

「お前…何者だ!!」
『あ、ごめーん。私は戦いの神・サリ。』
「……神?」
『うん。よく聞きなさいコウ。君は宇宙を救うんだ。』

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