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ふたりだけの世界で

[307] ふく 2011-04-26投稿
例え二人がただの点と点であっても
振り返った時にいつか線になってるんだよ

あなたはその言葉を最後に私に別れを告げた

振り返ってあなたには何が見えた
私には何も見えなかったよ
そこにさっきまで線があったとしても
振り返った途端にぷっつりと切れていた
悲しくてたまらなくて
懸命に前へと足を踏み出した
あなたがいない世界は真っ暗で足場がなくて不安定で
立っていることがやっとよ

一度だけ
時を戻せるなら
あなたは前に『俺が独りの時に戻りたい』と言っていたけど
それじゃあ我が儘過ぎるから

そうね
私はあなたと出会った頃に戻りたい
あなたとご飯を食べていて
あなたに『好きになってしまった』と言われた時
あなたに言うの
大人のふりして笑って
『私、妻子持ちには興味ありません』って
そしたら二人以外の誰かを傷付ける言葉もなかった
私にしては偉いでしょ

何度も涙は流したけれど
いつから薄れていくと信じている
今は強く生きていくしかないと決めたから

もしも
あなたが今でも私を思い出して胸を痛めてくれるなら
強く想い続けてくれるなら
きっと生まれ変わったらすぐに会える
こんなにもお互い苦しんだのだから
次くらいは二人の世界を一つにしたって構わない

『誰もいない世界で二人で暮らしたいね』
良くあなたは言っていたけど
それは違うよ
二人の世界なら誰も邪魔は出来ない
そんな場所を絆を築いて行きたい

大丈夫
次の世界が無理でも
その次も無理でも
あなたに会えるなら何度でも生まれ変わる

そう考えたら
今のさよならも
次に会うための『またね』だって思える
だから今は二人別々の道を二人繋がる未来のために生きて行こう

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