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尊厳

[741] 古代魚 2011-04-27投稿
 死人を前に、尊厳を着せ、泣く儚さも見当たらない。可哀想だが、死んだ人間の無念を、如何に晴らすかだ。怨霊となって甦った原発は、たちどころに死者の怨念だ。死者の魂が取り憑き、異変に次ぐ、異変で、人間の住める場所ではなくなった。



 それなら逃げるしかない。何から逃げるのか。故郷から逃れ、故郷を捨て、牛同然の暮らしの中でしかなかった故郷が、津波で粉々だ。木っ端微塵に、腐り果てた船乗りは、新しい沖へ出る。逃げ場を失った放牧のようだ。海岸で塩水を舐める牛の姿だ。



 塩水だけで牛は生きて行けない。人間が手を差し伸べないで、何が尊厳だ。不確かな中に損得を着せ、欲望と闘う牛の赤旗リレーだ。闘牛場へ追いやられた東北関東大震災は、知恵と認識を必要とする。認識もないまま知恵だけで遊ぶ、愚かな人間の姿が牛とダブったのだ。




感想

  • 41093:管理人です。依頼された修正を行いました。あと、管理人が投稿された作品に無断で変更を加えるようなことはしません。素直に掲載しないようにするだけです。どの作品がどのように変更されたとお思いなのかわかりませんが、今回のようなあなたの作品の空白1文字のみわざわざ変更するようなことはありえないです。それでもお疑いであれば、このサイトに投稿する必要はありません。それでは。[2011-05-02]

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