がんばったで賞 117 〜カズヒロの壮絶な過去、その2〜
今思えば、それを言った瞬間、2人の表情が曇ったような…。
「あ…あとね、これ、パパとママからカズヒロへ手紙。」
「…手紙?」
その手紙の題名は、『遺書』
まだ遺書の意味が分からなかった俺は、
「ありがとう。開けていい?」
すると、2人は首を横に振った。
「君が大人になったら。」
「…分かった…。」
俺の小さな手には、遺書の重みなんて、分からなかったんだ。
「じゃあ、お母さんとお父さん、トイレ行ってくるわね。カズヒロそこで待っててね。」
これが…最後の言葉。
「うん!」
俺が自然と笑えた最後の…思い出。
30分…1時間…。
「ママ〜?パパ〜?」
と探し続けた。
しかし、トイレにはいなかった。
「おうちに帰ったのかな…。」
俺の心を、急に寂しさが襲ってきた。戻るお金なんて…ないのに。
日が暮れて、夜になった。人通りが少なくなった浅草寺。俺は道端で一人、しゃがみこんでいた。
凍てつく冬の寒さに、俺は必死で耐えた。
すると、1人の警備員がやってきた。
まだ20代っぽい顔をしている。
「…どうしたのかな?パパとママは?」
「トイレに行くって言って、まだ帰ってきてないんです…。」
「いつから…ここで待っているのかな?」
「ずっと。」
「ずっと?」
すると警備員は、俺が持っている『遺書』に気付いたんだ。
「あ…あとね、これ、パパとママからカズヒロへ手紙。」
「…手紙?」
その手紙の題名は、『遺書』
まだ遺書の意味が分からなかった俺は、
「ありがとう。開けていい?」
すると、2人は首を横に振った。
「君が大人になったら。」
「…分かった…。」
俺の小さな手には、遺書の重みなんて、分からなかったんだ。
「じゃあ、お母さんとお父さん、トイレ行ってくるわね。カズヒロそこで待っててね。」
これが…最後の言葉。
「うん!」
俺が自然と笑えた最後の…思い出。
30分…1時間…。
「ママ〜?パパ〜?」
と探し続けた。
しかし、トイレにはいなかった。
「おうちに帰ったのかな…。」
俺の心を、急に寂しさが襲ってきた。戻るお金なんて…ないのに。
日が暮れて、夜になった。人通りが少なくなった浅草寺。俺は道端で一人、しゃがみこんでいた。
凍てつく冬の寒さに、俺は必死で耐えた。
すると、1人の警備員がやってきた。
まだ20代っぽい顔をしている。
「…どうしたのかな?パパとママは?」
「トイレに行くって言って、まだ帰ってきてないんです…。」
「いつから…ここで待っているのかな?」
「ずっと。」
「ずっと?」
すると警備員は、俺が持っている『遺書』に気付いたんだ。
感想
感想はありません。
「るー6」の携帯小説
- ROOM 24 〜かかってこい、俺が絶対守る〜
- ROOM 23 〜殺してやろうか〜
- ROOM 22 〜岬の異変〜
- ROOM 21 〜許さない、理性の限界〜
- ROOM 20 〜裏切りなしで過ごしたい〜
- るー6日記 1月30日 〜水戸市とは〜
- ROOM 19 〜絶望〜