Love song
02.
「ただいま」
玄関の戸を開けて中にはいると、リビングからお母さんが出てきた。
「おかえり。先生いらっしゃってるわよ」
「うん」
リビングに向かうと、ソファに座っていた先生は立ち上がって小さく頭を下げた。
「麻子(マコ)ちゃん、今日コンクールの曲が決まったの。だから今日からその曲の練習しましょうね」
「はい」
3時間あるレッスンは全然苦にならない。
大好きなピアノ、大好きな曲を弾けるんだもん。
今まで弾いたことがなかった曲との出会いが楽しみで、それを完璧に弾けたときの喜びは大きい。
コンクールの曲は初めて弾く曲だから、たくさん練習して完璧に弾けるようになりたい。
観客の人たち、先生、お父さん、お母さんに喜んでほしいから。
*
放課後。
今日はレッスンがないから学校の音楽室で練習する。
音楽室は誰も来ないから、静かでいい練習場所なんだあ。
ふと時計を見ると、時間は5時を過ぎていた。
あと1回弾いたら帰ろう。
そう思って、鍵盤に手を添えて曲を弾き始めた。
曲が終盤に差し掛かる。
最後まで丁寧に、気持ちを込めて。
いつも先生に言われている言葉を心の中で繰り返す。
そして曲を弾き終え、鍵盤からゆっくり手を離した。
その時、音楽室の戸が勢いよく開いて拍手の音が鳴り響いた。
私はびっくりして戸の方を見ると、そこには金髪の男子がいた。
「凄いな!」
その人は拍手をしながらそう言って、私の隣まで歩み寄ってくる。
金髪、ピアス、着崩された制服。
何だか、怖い。
「ピアノ上手いな」
その人は笑って誉めてくれた。
そんなに怖い人じゃないのかも。
「ありがとう、ございます」
それがリュウとの出会いだった。
「ただいま」
玄関の戸を開けて中にはいると、リビングからお母さんが出てきた。
「おかえり。先生いらっしゃってるわよ」
「うん」
リビングに向かうと、ソファに座っていた先生は立ち上がって小さく頭を下げた。
「麻子(マコ)ちゃん、今日コンクールの曲が決まったの。だから今日からその曲の練習しましょうね」
「はい」
3時間あるレッスンは全然苦にならない。
大好きなピアノ、大好きな曲を弾けるんだもん。
今まで弾いたことがなかった曲との出会いが楽しみで、それを完璧に弾けたときの喜びは大きい。
コンクールの曲は初めて弾く曲だから、たくさん練習して完璧に弾けるようになりたい。
観客の人たち、先生、お父さん、お母さんに喜んでほしいから。
*
放課後。
今日はレッスンがないから学校の音楽室で練習する。
音楽室は誰も来ないから、静かでいい練習場所なんだあ。
ふと時計を見ると、時間は5時を過ぎていた。
あと1回弾いたら帰ろう。
そう思って、鍵盤に手を添えて曲を弾き始めた。
曲が終盤に差し掛かる。
最後まで丁寧に、気持ちを込めて。
いつも先生に言われている言葉を心の中で繰り返す。
そして曲を弾き終え、鍵盤からゆっくり手を離した。
その時、音楽室の戸が勢いよく開いて拍手の音が鳴り響いた。
私はびっくりして戸の方を見ると、そこには金髪の男子がいた。
「凄いな!」
その人は拍手をしながらそう言って、私の隣まで歩み寄ってくる。
金髪、ピアス、着崩された制服。
何だか、怖い。
「ピアノ上手いな」
その人は笑って誉めてくれた。
そんなに怖い人じゃないのかも。
「ありがとう、ございます」
それがリュウとの出会いだった。
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