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Love song

[334] 玲唯 2011-05-02投稿
02.


「ただいま」


 玄関の戸を開けて中にはいると、リビングからお母さんが出てきた。


「おかえり。先生いらっしゃってるわよ」

「うん」


 リビングに向かうと、ソファに座っていた先生は立ち上がって小さく頭を下げた。


「麻子(マコ)ちゃん、今日コンクールの曲が決まったの。だから今日からその曲の練習しましょうね」

「はい」


 3時間あるレッスンは全然苦にならない。


 大好きなピアノ、大好きな曲を弾けるんだもん。


 今まで弾いたことがなかった曲との出会いが楽しみで、それを完璧に弾けたときの喜びは大きい。


 コンクールの曲は初めて弾く曲だから、たくさん練習して完璧に弾けるようになりたい。


 観客の人たち、先生、お父さん、お母さんに喜んでほしいから。


 *


 放課後。


 今日はレッスンがないから学校の音楽室で練習する。


 音楽室は誰も来ないから、静かでいい練習場所なんだあ。


 ふと時計を見ると、時間は5時を過ぎていた。


 あと1回弾いたら帰ろう。


 そう思って、鍵盤に手を添えて曲を弾き始めた。


 曲が終盤に差し掛かる。


 最後まで丁寧に、気持ちを込めて。


 いつも先生に言われている言葉を心の中で繰り返す。


 そして曲を弾き終え、鍵盤からゆっくり手を離した。


 その時、音楽室の戸が勢いよく開いて拍手の音が鳴り響いた。


 私はびっくりして戸の方を見ると、そこには金髪の男子がいた。


「凄いな!」


 その人は拍手をしながらそう言って、私の隣まで歩み寄ってくる。


 金髪、ピアス、着崩された制服。


 何だか、怖い。


「ピアノ上手いな」


 その人は笑って誉めてくれた。


 そんなに怖い人じゃないのかも。


「ありがとう、ございます」


 それがリュウとの出会いだった。


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