がんばったで賞 118 〜カズヒロの壮絶な過去、その3〜
「これは何?」
「パパとママから渡されたんだ…。『遺書』って言うんだって。お手紙じゃないの?」
ふと顔を上げたら、警備員の顔が真っ青になっていた。
「遺書…本当か君。」
「うん。お兄さん、怖い顔。」
警備員は、その返答には答えず、唇を噛み締めて、
「とりあえず、俺の会社へ。」
「…。」
「一緒に…来てくれるか?」
俺はうなずいた。
「お名前は?」
「松田…カズヒロ…。」
その時の名字は「松田」…。
今となっては、封印したい名字だ。
「俺は斎藤アキラ。まだまだ若いといわれる25歳。警備員をしているんだ。」
俺は、まだ分からなかった。
この人が、新しい父親になるなんて。
東京の小さな警備会社。
「おぅ、アキラ。どうした?」
上司の大江シンイチ。皆からの人望も厚い人だ。
「あの…浅草寺に子供が…。」
俺は、震えながらシンイチをみた。
「お名前は?」
「か…か…。」
俺がたじろいでいると、アキラが、
「松田カズヒロくんです。」
と助けてくれた。
「いくつかな?」
シンイチさんが、俺のもとに駆け寄ってきた。
「7さい…。」
「あの…この子どうしましょう?」
アキラは、俺を撫でながら言った。
「どうしてそんな事言うんだ。親に返せばいいじゃないか。」
アキラは、俯いて答えた。「実は、これ…。」
アキラは、シンイチに俺が持っている『遺書』を見せた。
「パパとママから渡されたんだ…。『遺書』って言うんだって。お手紙じゃないの?」
ふと顔を上げたら、警備員の顔が真っ青になっていた。
「遺書…本当か君。」
「うん。お兄さん、怖い顔。」
警備員は、その返答には答えず、唇を噛み締めて、
「とりあえず、俺の会社へ。」
「…。」
「一緒に…来てくれるか?」
俺はうなずいた。
「お名前は?」
「松田…カズヒロ…。」
その時の名字は「松田」…。
今となっては、封印したい名字だ。
「俺は斎藤アキラ。まだまだ若いといわれる25歳。警備員をしているんだ。」
俺は、まだ分からなかった。
この人が、新しい父親になるなんて。
東京の小さな警備会社。
「おぅ、アキラ。どうした?」
上司の大江シンイチ。皆からの人望も厚い人だ。
「あの…浅草寺に子供が…。」
俺は、震えながらシンイチをみた。
「お名前は?」
「か…か…。」
俺がたじろいでいると、アキラが、
「松田カズヒロくんです。」
と助けてくれた。
「いくつかな?」
シンイチさんが、俺のもとに駆け寄ってきた。
「7さい…。」
「あの…この子どうしましょう?」
アキラは、俺を撫でながら言った。
「どうしてそんな事言うんだ。親に返せばいいじゃないか。」
アキラは、俯いて答えた。「実は、これ…。」
アキラは、シンイチに俺が持っている『遺書』を見せた。
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